ポセイドン・アドベンチャー(1972)のレビュー・感想・評価
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尊い命
小学生の頃
テレビ放送で、映画が好きな父と一緒に観た
初めてのパニックムービー。
大型客船「ポセイドン号」が転覆し
天地逆さまの船内で起こる命の選択劇は
子ども心に恐怖でした。
大人になり、再度、鑑賞して・・・
乗客、それぞれの目的で乗船した
豪華客船「ポセイドン」
船長室内では、オーナーが無茶振りをする中
海底地震による大津波で船が転覆する。
乗客のひとりであった
牧師(ジーン・ハックマン)が
祈り助けを待つ事だけなく
自ら生きる努力をすることが『祈り』であると
生き残りをかけて、皆を脱出へと導く物語。
犠牲を伴い、心の葛藤が続く中
生きる為に行動した生存者達
ラストの展開も考えさせられました。
人生観が変わる作品だと思います。
2006年公開のリメイク「ポセイドン」も鑑賞済。
実写ならではのリアルさ
口は悪いが行動力のあるスコット牧師を、ジーン・ハックマンが熱演。
困難に立ち向かい、神に問うスコット牧師の姿が切ない。
人の強さ、優しさ、愚かさ、無常さ、哀しみがリアルに描かれていた。
NHK - BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
記憶に残る名作
牧師の最期にイエスの姿が重なったが…
NHKBS放送を機に何回目かの再鑑賞。
色々な作品が頭をよぎった。
一艘の豪華客船に乗り合わせた登場人物の
たくさんの人生が交差する
「グランド・ホテル」方式のような群像劇。
誰が逃げ切れて、誰が命を落とすのか、
「大脱走」のような集団脱出劇の装い。
最高速度を求める船主サイドと
安全を優先したい船長との確執は
「タイタニック」も思い出す。
これまでも、自然災害物、航空機物、
海洋物、宇宙物等々、
たくさんのパニック映画を観てきたが、
特撮のレベルも、人間描写も、
この作品が一番の優れものとの印象だ。
それにしても、この映画、随分と大切な
人間関係を引き裂く展開ではある。
女性シンガーと兄、ユダヤ人老夫婦、
警察官と元娼婦の妻、
そして神とその遣い手の牧師。
ただ、牧師が神と対峙しながらも
最後の自己犠牲の姿は、
「どうして私をお見捨てになったのですか…
私の霊をみ手に委ねます」との
イエスの最期の言葉に重なり、
牧師は神と引き裂かれたのではなく、
ある意味、彼はキリストであって、
人々を約束の地に導く役目を終え、
むしろ、神に身を委ねたかのようにも
思える鑑賞になった。
アドベンチャー映画のマスターピース
名作中の名作
ディザスターフィルムの先駆けにして、最高峰との声も高い本作。なるほ...
スケールがスゴい
古い映画ながらも面白い!
こりゃ、名画です。めちゃくちゃ古いのに特撮とか出来ない時代でストーリー勝負の大型客船の地震による津波で船転覆。脱出口を探す、牧師をリーダーにし、リーダーの牧師は、残念ながら最後の最後に犠牲になり6人のために命を投げ出す。足手まといと思われた太った奥さんもリーダーを助ける演出。中々良かった。
ジーンハックマンの最高傑作
ジーンハックマンという俳優はとても面白い俳優で顔や表情から性格がよく分からない。いいやつな様でもあるし悪い奴の様でもあり、どちらかと言うと悪い奴に見える。この映画の中ではどんな役割をしているんだろう・・・というところからして既にサスペンスとして飲み込まれてしまう。それがジーンハックマンの俳優としてのパワーだと思う。そして私の感覚的にはジーンハックマンがこの映画では意外なキャラクターを演じてストーリーをぐいぐいと引っ張っていった。
タイタニックを扱った映画はたくさんあるけども私はこのポセイドンアドベンチャーを一押しする。そのストーリー構成の見事さ、キャラクターの良さ、一つ一つのエピソードの面白さ・・・そういうところから見てそう思う。
ディカプリオのファンは反対するだろうけどね。
明日へ向かって
パニック映画の最高峰と言える映画です
この頃のパニック映画は好きでした
出てくる人それぞれに人生があり明日があると信じている
皆んなが力を合わせ信念を持ち苦難の時こそ足を止めずに前へ進まなければ明日へは届かない
「愛のために戦え」と牧師は言う
でもそうではない、愛する者が無くても戦い続けなければならないのだ
私はこの「戦う」を怖い言葉だと思う
勘違いすれば他者を傷つけてしまうから、そうであってはならないと思うから
牧師の教えは過激な人にとっては危険な教えのようにも思えるが
この頃のアメリカを考えればアメリカ国民に勇気を与える映画なのかも知れませんが同時に間違った方向へ行きそうで恐ろしさもあるのかと思います
そして今もこの精神が強いのならこの先の世界はどうなるのか
この映画の真髄はラストの牧師の行動に現れているのではないでしょうか
そこに無情の愛を感じます
みんなで助け合って明日へ進んでいきたいものです。
「Poseidon Adventure」ネーミングが上手い!「Towering Inferno」もそうだけど…
豪華船を転覆させるというシンプルなアイデアを、ここまで面白い映画にするとはやはりハリウッドの底力。今に至るまで「Towering Inferno」と本作を凌ぐパニック大作は出てきていない。
大迫力!
前から気になっていたポセイドンアドベンチャー。
いやー面白かった!
船が逆さまになって、パーティー会場が大惨事になるシーンは本当に
けが人が出てるんじゃないっかてくらい迫力がありました。
ステンドグラスに背中から真っ逆さまに落ちるシーンはスタントマンがやってるらしい。
まさに命がけ。
キャラクター一人一人がしっかりしてて、見ごたえがありました。
笑いもしっかりあって、200キロのメカジキのくだりは爆笑でした笑
ひとつ言えるとしたら、ノニ(キャロル・リンレイ)がずーっとウザかった。
事あるごとに、私にはできない、とか無理とか、ひとりじゃ無理とかずーーっと後ろ向きで
観てると無性にイライラしました。
老夫婦の奥さんの方は懸命に自分のできる限りのことを精一杯やって、勇敢だなと思ったりしたので、余計にずっとめそめそしてるノニに腹が立ちました。
でも、一人ぐらいは後ろ向きなキャラクターも必要か、と思い納得しましたけども。
ノニはさておき、最初から最後まで手に汗握る展開で評価が高いのも納得の良作でした。
ポジティブであれ 自らの中の神を信じてベストを尽くせ 生きる力が湧いてくる映画です
名作中の名作
パニック映画のジャンルの始祖として有名ですが、そのジャンルを越えて名作です
何度観ても飽きないしその度に面白く感動します
豪華客船ポセイドン号
といっても老朽化で最後の航海の設定で、乗客もあのタイタニック号みたいな上流階級の人は乗ってません
何しろディナーの船長のテーブルに普通の夫婦が同席してるくらいの庶民派クルーズです
冒頭の船長と船主代行とのやり取りは史実のタイタニックのモチーフで、あの映画タイタニックでも同様のシーンがあります
津波で転覆するスペクタクルシーンは圧巻で、映画タイタニックで、沈没時に船尾が高く持ち上がるシーンは本作のものをかなり参考にしているのだと、改めて観ると良く分かります
今のどうせCGでしょ的なものでない、嘘のない素晴らしいシーンです
爆発が起こり大量の水が押し寄せる時の人々の逃げ惑うシーンは本当にパニックを起こしている顔と逃げ方です
流石はアーウィン・アレンです
実質的には彼の作品と言って良いのかも知れません
ジーン・ハックマンは主人公の破天荒な牧師を演じます
フレンチコネクションとかの役柄のイメージとは違う清く正しい人という設定なのですが、強引にでも突き進むという点では説得力あります
しかし本作を名作たらしめているのは、そこにもう一人素晴らしい演技の役者がいるからです
それはアーネスト・ボーグナイン!
NY市警の警部補役、元娼婦の妻と新婚旅行に来ているという設定です
刑事ではなく恐らく分署のチーフという設定ではないかと思います
彼がジーン・ハックマンとやりあうシーンは、迫力があり見物です
さらにそれだけでなく、妻にやり込められたり、単独で様々な表情を現すところは名優だと感嘆することでしょう
その二人の名優だけでなく、いい演技をする役者が脇を固めており、個々の活躍の場面をつくる良い脚本がそれをひきたてています
老夫婦の太ったおばあちゃん役のシェリー・ウィンタースは心に特に残ります
その他にも見せ場のあるキャラがいてその演技も良いのです
大きな船は人間社会そのものです
それが転覆した時の人間はどうあるべきかがテーマだと思います
様々なリーダーがいます
少しの可能性があれば積極的に行動し挑戦するリーダー
慎重に助けを持つリーダー
間違った判断に固執するリーダー
そしてリーダーでないものも様々です
リーダーシップを取れないのに批判だけをするもの
リーダーに従うけれど盲目的に多数の側に従うもの
自分の力が発揮できるときは率先して力になろうとするもの
人間社会の縮図が示されます
ポセイドン号の目的地は原作ではどうか分かりませんが本作ではイスラエルのようです
劇中では老夫婦がイスラエルに着いたら孫に会えると話し、老いた夫はモーゼが十戒を神から授けられた山のパッケージツアーに参加したいと言います
主人公の牧師は約束の地へ向かうモーゼのように、彼を信じるメンバーを率い、転覆し沈もうする客船の内部をさ迷います
神は様々な試練を与えそれでもなお神を信じた者だけを約束の地に辿り着かせるのです
そして約束の地の目前についても、先住民が住んでおり、神が約束したからと言っても、その地は戦って勝ち取るほかないのです
神を信じて戦った者にのみ与えられるのです
このアナロジーが物語の骨格にあるからこそ、凡百のパニック映画にはない深みと味わいがあるのだと思います
それが本作の成功後に雨後の筍のように粗製乱造されたパニック映画にないポイントなのです
アーウィン・アレン自身の次回作である、あの成功したタワーリングインフェルノにも、発生した恐るべき困難に対して人はどう立ち向かうべきであるのかというテーマ性は見られ無いのです
如何に本作のテーマと脚本が優れているかが分かります
ポジティブであれ
自らの中の神を信じてベストを尽くせ
生きる力が湧いてくる映画です
劇中、大宴会場の年越しパーティーの準備中に生バンドのリハーサルで歌われるのが大ヒットした主題歌モーニングアフターです
劇中歌っているのは女優さんですから吹き替えだと思われます
衝撃作!
押し寄せる危機また危機
"ポセイドン・アドベンチャー" シリーズ第1作。
深夜放送を鑑賞(録画)。
アイデアの斬新さに舌を巻きました。大波によって転覆し、逆さまになった豪華客船。船底を目指してサバイバルをすると云う奇抜さ。普段の景色が逆さまになっただけで、危険いっぱいの世界に変貌すると云う、今までありそうで無かった着眼点に引き込まれました。パニック映画の醍醐味であるスペクタクルと、極限状況下で生まれる圧巻の人間ドラマが秀逸でした。
大広間に留まる人々と船底を目指す人々。考え方の違いが生死を分けました。何が正しくて、何が間違っているのか。現状維持に努めるのか、自ら行動し新たなる道を切り拓くか。
私は後者を選ぶかもなぁ…
船底を目指す人々を追い詰めるかのように押し寄せる海水。迫り来る爆発と炎の恐怖。試される知恵と勇気と信頼。それぞれが渾然一体となり、唯一無二の魅力を放っていました。これぞ名作が名作たる所以だなと思いました。
※修正(2024/05/18)
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