「パニックになるまで退屈だけど、やっぱりイイ」ポセイドン・アドベンチャー(1972) はむちん2さんの映画レビュー(感想・評価)
パニックになるまで退屈だけど、やっぱりイイ
「タワーリング・インフェルノ」と並び、当時のパニックものとして、いや今も傑作として評価されることが多い本作ですが、こういう映画は「いつパニックになるか気にしながら観る」ため、その前の「どうでもいい話し」が退屈に思え早送りしたくなったりする。もちろん、自分は気に入っているのでそんなことはしませんが、基本的に「どうでもいい話し」てのは...
・楽しく過ごしてる人達
・「何かおかしい」「いや様子を見よう」といった駆け引き
大きく分けちゃえば、この2つの話しになる。
この映画では、新年へ向け説教をする牧師、バンドの生演奏を聴きながら食事を楽しむ人々、可愛い弟のわがままに手を焼く姉、見覚えのある人が居て不安になる娼婦...等々あるのだが、こういった人達の中で、何か1つ自分が気になった話題があるに越したことはない。そして、いざパニックなるのを待つんですよね。
私は2度目の鑑賞ですが、どれも覚えてませんでした(苦笑) やはり、いつ起こるか、そっちのウェートが大きかったと思われる。パニックものの難しい点ですね。
ハッピーニューイヤーの最中てのがミソですよね。喜びから一転するわけですから。
・助けに来るのを信じて待つ?
・自力で脱出する?
こりゃ判断に迷いますよ。
また、ジーン・ハックマンはなぜ仕切る? 警察の人もいるのに牧師の使命ですかね。
(一部のセリフですが)
アーネスト・ボーグナイン
「どうも気に食わん、俺に恨みでもあんのか?」
ジーン・ハックマン
「私たちは似てるんですよ。自分を見てるようで嫌なんでしょう」
アーネスト・ボーグナイン
「・・・」
冷静だなぁ~、さすが牧師!腹が立った時は考えてみよう。そうかもしれん。
逆さまになってからは一人一人の性格が出ますので、自分が誰に近いか考えながら観るのもアリかと思います。
また、機関室へ向かうための水中脱出シーンは、カート・ラッセル版と違うので興味のある方は比べてみるのも面白いかもしれません。生き残った者・死んでしまった者の宿命も考えさせるものがありました。
逆さまのセットを造るまで作業は大変だったと思う。今はCG含め簡単かもしれませんが、当時の映画に対する意欲ってものは比べ物にならないかもしれませんね。