「20世紀に深く爪跡を残したカネフスキー3部作の最終章」ぼくら、20世紀の子供たち sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)
20世紀に深く爪跡を残したカネフスキー3部作の最終章
冒頭 コッペパンを載せるトレイの上に赤ちゃんが3、4人寝ている。認識証みたいなのを付けて。まずはこの象徴的な映像。
路上でインタビューに答える子供たちの中には、屈託なく、澄んだ目の子も多い。あの日のワレルカのように。しかし語る内容はえげつない。聞いていてとても滅入ってくる。彼らが演奏するバラライカの曲が心に沁みる。
そして、ワレルカとガリーヤのまさかの再会。多少の作為はあるだろうけど、これはちょっと反則やな。対比がさすがにキツい。あの歌、胸が熱くなる。「ひとりで生きる」から2年しか経っていないのに。
本作1993年の製作なので、あのストリートチルドレンや刑務所の子供たち、「20世紀の子供たち」も今では40-50代の中年だ。彼らは新世紀をどう生きているのだろう。奇しくも隣国民の命を奪っている国家の中で。
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