「「人違いサスペンス」〜『裏窓』『めまい』ほどには好きじゃない」北北西に進路を取れ Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
「人違いサスペンス」〜『裏窓』『めまい』ほどには好きじゃない
1959年、アメリカ映画。
【監督】:アルフレッド・ヒッチコック
【脚本】:アーネスト・レーマン
主な配役
【ロジャー・ソーンヒル】:ケーリー・グラント
【イヴ・ケンドール】:エヴァ・マリー・セイント
【フィリップ・ヴァンダム】:ジェームズ・メイソン
【ロジャーの母】:ジェシー・ロイス・ランディス
私は本作を「人違いサスペンス」と呼んでいる。
アカデミー賞3部門(脚本、美術、編集)にノミネートされた。
冒頭のタイトルは、
著名なグラフィックデザイナーであるソール・バスが制作、
キネティック・タイポグラフィを本格的に使用した最初の作品であるとみなされている、とWikipediaにある。
同じくWikipediaには、題名に関するネタも書いていた。
興味ある方は、ぜひ読んでみていただきたい。
1.作品の設定を認めるや否や
ヒッチコック作品の多くがそうであるように、
設定に入り込めるかどうかで評価は変わる。
主人公のソーンヒルは、架空の人物・カプランに間違われる。
それが「人違いサスペンス」全ての始まりだ。
これが結構強引だ。
正体不明のカプランが、ノコノコとホテルのバーで誰かと待ち合わせしますかね?
本物のタウンゼント氏は、
投げられたナイフで命を落とし、
ソーンヒルがナイフを抜いたため殺人犯と間違われてしまう。
ここも、真犯人の目撃者がいない等、かなりのチカラ技だ(笑)。
2.カメラワークと音楽は秀逸
CGのない時代に、どうやってこんな風に撮れた?
冒頭、ホテルのバーで商談相手との席から、
2人の悪党(誘拐犯)に一気にカメラが移動する。
びっくりだ。
ヒッチコック作品は音楽の使い方がうまい。
奇を衒わないが、ちゃんとハラハラすべき場面を
観客に知らしめてくれる。
これは、イヤミではなく、現代に通じるセオリーだ。
3.ヒッチコックの代表作か?
WOWOWの番組欄には、「ヒッチコックの代表作」と書いてあった。
確かに、邦題の特異さと合わせ特徴的な作品ではある。
だが、脚本は平板だ。
一番のヤマ場が教授によるタネ明かしだ。
ヒッチコックらしくない感じがした。
本作はヒッチコック長編の46作目。
60歳の時に製作された。
この後、『サイコ』、『鳥』と続くが、
77歳になるまで7作しかメガホンを取ってない。
私は『裏窓』、『めまい』のほうが好きだ。
グレース・ケリー、キム・ノヴァクの美貌と
サスペンスの相性が素晴らしい。
ということで、
私のつける☆は、2.5