「現実もこうであれば」ポカホンタス crisさんの映画レビュー(感想・評価)
現実もこうであれば
どんな話だったか全く忘れた状態で鑑賞。
こんな話だったっけ、
こんな話だったのか、ポカホンタス。
って、大人になって改めて見るとまた全然違った印象を受けた。
ポカホンタスが自然の中を悠々と進んでいく様。
水の音や自然の音が心地いい。
映画「アバター」の雰囲気も好きだから、こういうネイティブアメリカンの暮らし、自然と共に生きてる感、みたいなのが自分には癒しポイントなんだろな。
だけどロンドンからの入植者。ゴールドを求めて。嫌な予感。
アバターとかラストサムライとかこのポカホンタスとか、
「これがずっと続いて欲しいな」と思う世界が、外部のものによって壊れていく様子を見るのがほんとつらい。ぎゅっと、胸が詰まる。
やめてくれ〜ああ、こわい、くるなくるな、と思ってしまう。
とはいえ人間の歴史、おそらくほとんどはこういう「侵略」から始まってるんだろう。日本国内でだってそうやってずっと戦いの歴史があったわけだし。
人間の性なのか?そうやって新天地へ侵略しにいこうとするのは。
生きるためなのか?それとも単なる欲なのか?
理性では止められない、止まらない人間の欲。
そんな人間の欲、自分自身の欲も含め、わからなくてこわい。
ポカホンタス、美しかったな。
動作一つ一つが艶やかで美しかった。
そして村人の男たちもかっこよかったな、職人みたいで。
肉体美、動いてる男、って感じしたな。
ポカホンタスとジョンスミスの表情の表現が細かくて、
微妙な一瞬の表情までちゃんと描いてて。見入ってしまった。
あっという間に終わってしまったけど、見て良かったなという満足感がある。
最後見送る時に村人たちがたくさんのとうもろこしを持ってきたの、なんか切なさ。今作ではそんなに酷いむごい展開にはならず平和的に終わったけれども、事実はそうじゃない。実際も、ああやって平和的に終わっていればな。
どこの世界でも、欲望が強いものが残るのか?繁栄していくのか?
そうではないことを願ってる。