「反知性の恐ろしさ」ボーイズ'ン・ザ・フッド NORIさんの映画レビュー(感想・評価)
反知性の恐ろしさ
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この映画の見所は主人公の父親の言動に集約されている。彼の主張は一貫して「責任を持って行動するべき」という事である。「責任を持って行動する事」とは即ち「自分自身で考えて決断し、風潮に流されずに行動する」という事の言い換えである。
「仲間と共にギャング襲撃に向かう際、一人車を降りる」「セックスの直前に結婚の話をする」など、湧き上がる衝動に打ち勝って、このような冷静な行動をとる事が出来るのは磨かれた知性の賜物だろう。
冒頭の〝STOP〟という標識も象徴的である。知性を得る事で、皆が流れるまま同じ方向へ向かう時も立ち止まって考える事が出来る、というメタファーか。
知識人として女性蔑視に立ち向かう母親の姿も然り、主題が一貫しており、強いメッセージ性が感じ取れる。
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