劇場公開日 1967年3月18日

「スティーブン・マックイーンとキャンデス・バーゲンの代表作」砲艦サンパブロ Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5スティーブン・マックイーンとキャンデス・バーゲンの代表作

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

ニコラス・レイの「北京の55日」に続く混乱の中国を舞台にしたハリウッド映画。満州事変の数年前の時代背景で、西洋列強の植民地争いが激しいとき。
この企画は、スペクタクル映画に活路を見出す興行目的が最優先だったと想像します。でも監督がロバート・ワイズの御蔭で社会派映画の佳作になった。
マックイーンとバーゲンが素晴らしい。「荒野の七人」や「大脱走」のアクション映画のマックイーンも颯爽とかっこいいが、男らしさに独特の寂寥感の漂う「シンシナティ・キッド」や「パピヨン」のマックイーンもいい。その中でこの作品のマックイーンが一番役柄にマッチしているのではないか。デビューしたてのバーゲンは、この時二十歳の若さながら、確かな演技力を身に付けています。鼻から顎にかけてのラインが美しい、横顔美女の第一人者。後に監督業も兼ねたリチャード・アッテンボローと日系アメリカ人俳優マコ岩松も存在感ある好演を遺して、大味になりがちな当時のハリウッド映画大作では魅力的な作品だ。歴史の真実より、人間ドラマの価値がある、好きな作品。

Gustav