ベン・ハー(1926)のレビュー・感想・評価
全2件を表示
思いの外良かった
「サイレント映画だし2026年の人間が観てもな~。ま、宗教と歴史の勉強になるから観てみるか」と期待せずに鑑賞。
うわ、ちゃんとおもしろい!
サイレントを馬鹿にしていて本当にすみませんでした。自分が無知で恥ずかしい…!
セリフが限られている分、観客が状況理解できるよう、俳優の動きや演出など“画で見せる”ことのレベルが非常に高くて驚いた(ベン・ハーがガレー船から覗く同胞のユダヤ人奴隷を苦渋の決断で見捨てるシーンetc.)。完全なカラーではなく限定的に色を付けることにより、かえって人物の感情や情景が際立たせることにも成功している(マリアを見た時の赤子を抱く女のシーンetc.)。
状況説明のセリフがダラダラ長い現代の作品の方が、むしろ劣っているかもしれない。昔の人のアイデアや工夫に脱帽した。
またガレー船のシーンは必見。当時のガレー船ってこういう構造だったんだ!そして漕ぎ手は奴隷たちが従事していたんだなあ…と勉強になった。
あと「聖衣」と同じくキリストは体の一部が出てくるだけで顔は映さないようにしているのだが、これは偶像崇拝禁止の故だろうか?
しかし気になったのは、やはりユダヤ人視点のみで描かれているところ。そういう作品だから仕方ないのだが…。ニュートラルでない点はどうしても気になる。宗教とは難しい…。
映画の極み
Amazon primeにて観賞。
約100年前の映画になる。
1959年のベンハーは知ってるけど観たことはない。と言うか、1959年版がリメイクなのを知らなかったのでとても気になり本作をみる。
1926年を調べると昭和元年(大正15年)とある。
う~ん、昔過ぎて実感が無いがww1と2の間くらいにあたるのか。
そんな時代にこの映画、セット、エキストラ、ストーリーの規模が巨大過ぎてサイレント映画ながら今観ても思わず息をのむ。
サイレントだけに俳優たちは内面の感情を表情や仕草で分かりやすく表現しているものの、違和感のない演技で惹き付けられる。
どうやって撮影したのか、海軍船とバイキングとの死闘、馬車レースなど迫力がありすぎて、昨今のアクション映画を腐るほど観ているのに、空いた口が塞がらないほどワクワクした。
それに編集が何より素晴らしい。昔の映画は今の映画に比べるとどうしてもゆっくり凡長に感じるシーンが多いのだが、どうしてこの映画はかなりスピーディーに展開して無駄がないのだ。
かと言ってじっくり見せたいシーンにはそれなりの時間を割いている。
まさに映画のお手本をみてるよう。
凄い、凄すぎます。
ただただ感服。
こんなとんでもない映画、100年前に作られていたなんてまだまだ世界は広い。
何より素晴らしいのは
全2件を表示