ベルモンドの怪盗二十面相のレビュー・感想・評価
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フランス一の無責任男
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主人公が変装するのでこのような邦題をつけたのだろうけど、“怪盗”というよりはぺてん師という感じで、さらに言えば植木等の「無責任男」シリーズのキャラクターに近い。美術館からエル・グレコの三連祭壇画を盗むくだりはあるものの、ケイパー映画の緻密さはかけらもなく、行きあたりばったり。エル・グレコを車の屋根に乗せて運ぶに至っては噴飯ものだ。
フィリップ・ド・ブロカ✕ジャン=ポール・ベルモンドの一連の作品はおおむねスラップスティックが基調で大好物なのだが、ちょっと本作はたがが外れすぎ。ベルモンドは嫌いじゃないけど、どちらかと言えば、ゴダールやメルヴィルの作品を通じて出会った感じ。そういう意味では、なかなか振り幅のある役者なのかもしれない。合掌。
ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドは美人というタイプではないが、特徴のある愛らしい顔をしている。同じド・ブロカ監督の「まぼろしの市街戦」のコクリコやカコヤニス監督の「トロイアの女」のカサンドラが印象的だった。本作では保護観察官とかいう設定で登場するが、ほとんど職務を放棄している。困ったもんである。
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