ベイブのレビュー・感想・評価
全37件中、1~20件目を表示
好々爺の牧場物語
子豚が羊と話をする。
それだけではない。
子豚は犬ともアヒルとも話ができる。
そんな特別な能力を持つ子豚は、
アニメの世界なら当たり前に存在するが、
実写映画では珍しい。
子豚のベイブがカワイイ。
いつか豚肉を食べるのを
楽しみにしているホゲット夫人、
誤解して一度は銃殺も考えた
アーサー・ホゲット(ジェームズ・クロムウェル)、
ベイブのお母さんのような犬のフライ、
牧羊犬レックス、
生き残ることに必死なアヒルのフェルナンド、
大事なことを教えてくれた羊のメー、
それぞれの動物たちの氣持ちも分かり易く、
それぞれの立場に共感しながら観た。
退屈する暇はなく
本編92分は あっという間であった。
日本語吹き替え版で観たため
動物たちが日本語を使う。
見るからに日本人ではない人間達も
日本語で話す。
全ての生きとし生けるものが
日本語を共通言語にしているという、
素晴らしい光景を味わった。
過酷な世界で己が生存権を掛けて戦う子豚の勇姿を見よ!
人生にはただ無心で動物を眺めたい…という衝動に駆られる時というものがあると思うのですが、その時がいよいよ私にも訪れた様です。
ただでさえ低い集中力がカツカツとなり、映画を見ていても見たシーンから直ぐに忘却されていき、物語の前後がまったく繋がらないというメメントの主人公をも凌ぐポンコツ状態に陥ってもなお楽しめる映画―。それが動物映画なのです。
動物映画にも物語やテーマがあるのは分かっています!分かっているのですが、もうぶっちゃけ動物が可愛ければそれでいいじゃないか!!という一点突破の楽しみを見出せるのが動物映画の良いところだと思うのです。そして何より動物園に行った時のあの獣臭さを感じずに、可愛いさだけを堪能できるのが動物映画の最大の利点なのです!
という訳でただひたすらに愛くるしい動物の姿を頭空っぽにして堪能してやろうとチョイスしたのが本作なのですが、この映画の製作と脚本を(他者と共同で)手掛けているのがジョージ・ミラーなのです。そうです。ちょっと前に「マッドマックス:フュリオサ」で映画ファンを沸かせた、かのマッドマックスシリーズのジョージ・ミラーです。本作では監督こそしていないのですが、流石に文明崩壊後の世界を生存本能剥き出しで生きる人間の姿を描いてきた男の息がかかった作品だけあって、単に可愛さだけを堪能してやろうというコチラのアテを外してきます・・・・・・。
ベイブは養豚場で産まれた子豚です。なので本来ならば将来は食肉となり人間様の食卓に並ぶ運命だったのです…。実際にベイブの母は映画開始早々に出荷されていきます。映画の中の豚たちは出荷されるという事は「楽園」へ行くことだと思っており、出荷された豚たちが帰ってこない本当の理由を知りません。(少し前にそんな設定の漫画があった気がしますが…)母が帰ってこない理由に関係なく、単純に母を恋しがり泣くベイブ…。まるでヴィーガニズムの啓蒙のような導入部です。
そんな泣く姿が運よく?人の目に留まったベイブは村祭の懸賞商品として生きたまま出品され、当選したとある農夫の農場へ行くことになります。多種多様な動物が暮らす農場。そこは日々の糧(餌)を保証された動物たちにとって安寧の楽園かと思いきや、ご主人(農夫)にとってどんな益をもたらすかで序列が決まる超能力主義の世界だったのです。
しかもその能力というのが各動物が生来持っている種族的な特徴に依存しているため、牛は乳を出し、鶏は時を告げ卵を産み、羊は羊毛を作り出し、犬はご主人の仕事のパートナーであり、猫は人間たちを癒してくれる!というプラスアルファ的な特徴のない豚(ベイブ)やアヒルのような動物は、丸々太って美味しく食べられるという役割しかない世界なのです。
ご主人が生殺与奪の権を握るこの小さく過酷な世界で、疑う事を知らない純粋なベイブは持ち前の優しい心と好奇心、そして好奇心に素直に身をゆだねられる行動力とを持って、世界から与えられた役割を、ご主人や農場の動物たちの先入観や既成概念を覆し、食肉になるだけの運命を大きく変えていくのです。
こちらとしては世間から与えられた役割だとか、より理想的とされる生活の為に努力しなければならないとかいう億劫な現実から目を逸らすために動物映画を見ている訳なので、人に媚びへつらった甘ったるい可愛さだけ見せて…と思いつつも、この世界で生きる為、居場所を確保するためにはやはり頑張らねばならないという世の理を改めて教えられる思いなのでした。
またベイブの奮闘とは直接関係がないもののこの映画には個人的に印象深いシーンがあります。
ご主人には幼い孫娘がおり、クリスマスシーズンに遊びに来るのですが、最初からこの孫娘はご主人の農場へ来ることを嫌がっております。単純に田舎が嫌いなタイプの子なのでしょうが、ご主人はこの孫娘のために手作りの立派なドールハウスを用意しました。
ところが孫娘は手作りのドールハウスを見るなり「これじゃない!テレビでやってるヤツが欲しい!!」と大泣きします。ご主人を含め大人たちはみんな苦笑いです…。
まぁ確かにこちらの好意が受け入れられなかったからと言って子供にヘイトを向けるは違うのでしょうし、私も子供の頃は工場で大量生産された既製品が大好きな子供だったので、直情的には「このク○ガキッ!」とは思うのですが、そういう事もあるよね…と、この子もいずれは他人が自分のために何かをしてくれる事の特別さを理解するようになるだろうと期待して、生温かく見守るしかないという「魔女の宅急便」(89年)の例のニシンパイと双璧を成す、見ていて居心地の悪くなるシーンなのです。
また続編である「ベイブ/都会へ行く」(98年)ではジョージ・ミラー自身が満を持して監督を務めているため、マッドマックスシリーズに通じる様な神話的物語が見られます。マッドマックスシリーズが好きな方にはこちらもおすすめの1本です。
すっかり当初の目的である動物の可愛らしさが他所になってしまいましたが、動物はもう文句なしに可愛いです!ただ本当に可愛いのでうっかりヴィーガンになってしまう可能性があるため、その点は気を付けて鑑賞したい作品です。
【牧羊犬ならぬ牧羊豚の子豚のベイブが牧羊犬に色々指導されながら、牧羊犬大会で立派な成績を収める物語。動物たちが喋ったり、表情豊かな所も良き作品。】
ブタの愛らしさと自分探しが見事にマッチ
まさかの大人向け
食用のために育てられた豚が牧羊豚の世界一に。 ベイブの素直な性格や...
牧羊犬ベイブ。
ジョージ・ミラーが製作・脚本なので世紀末でヒャッハー
かわいさに転がされた
え!?動物がしゃべってる!かわいい…。でも、癒し系モノはたくさんあるし、そこまでかな〜…。なんて、思ってたら、いつの間にかはまってました!
ピクサーアニメもかわいいんですけど、実際の動物のあいくるしさは強い…!動物好きたちが心の中でアテレコしてる声が、想像はるかに超えてしゃべってるので、これはやられたー!です。
かわいさオンリーという訳でもなく、シビアな現実も扱ってる事に涙…。
動物たちもいい動物、悪い動物と分かれてる訳ではなく、いい面もあれば悪い面もある所がよかったです。
あまりにベイブがかわいそうで、子供には見せれないシーンも。
ラストは、ベイブの実力でうまくいって欲しかったと思いつつも、いやこれの方が現実的なのかな…?と納得する結末をあれこれ考えてしまいました。
夢中で鑑賞してしまい、30分ほどに感じました。
シンプルで作り込み過ぎてないのがいいなと思いました。動物映画の原点となる見本のような映画でした。
<吹替>
全37件中、1~20件目を表示