ブロンコ・ビリーのレビュー・感想・評価
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ブロンコビリーと愉快な仲間たち
クリント・イーストウッドがウエスタン伝道師だなんて本人そのままじゃないか。
クリント・イーストウッド監督&主演の作品は、ハズレがないなぁ~。
この作品の後ではクリント・イーストウッド監督の偉業を知ることに…
もうそんなに昔だったのかと思わされた
40年以上も前の
クリント・イーストウッド監督作品だったが、TV放映を機に初鑑賞。
画面上の若々しいイーストウッドと共に、
勢いはあるものの演出の若さも感じた。
この少し前に「クライ・マッチョ」を観て、
更にこの作品と、
そもそもがウエスタンで映画界に躍り出た
イーストウッドとしては
当然なのかも知れないが、
少しひねっていてはいるものの、
保安官との決闘や列車強盗のシーン、
ただただ彼のアイデンティティとして
盛り込みたかったのかなとの印象で、
説教臭いイメージも
ジョン・ウェインと同じで、
彼も正にカウボーイと西部劇の申し子
だったのだろうなあと感じさせられた。
しかし、脱走兵だったと判る一座の団員は
お金で釈放させたようなのだが、
その説明はなく想像するしかないし、
アントワネットの夫が精神病院の上階への
忍び込みが何故中途半端だったのかや、
一座はFBIの移送をどう逃れたのか、
お金持ちになったアントワネットは
再び銃とナイフの的になる?
等々のディテールは放りっぱなしの
メデタシ・メデタシの構成には
拍子抜けした。
目隠しをして銃やナイフで風船を割るなど、
この映画は喜劇なんだと思えば
事済む話なのかも知れないが、
「許されざる者」以降の作品のレベルには
まだまだ達していなかった印象だった。
しかし、その後の
クリント・イーストウッド監督については、
「許されざる者」
「スペース・カウボーイ」
「ミスティック・リバー」
「ミリオンダラー・ベイビー」
「父親たちの星条旗」
「グラン・トリノ」
「ジャージー・ボーイズ」
「ハドソン川の奇跡」
の8作品がキネマ旬報で第1位に選出され、
内、2作品がアカデミー作品賞受賞
という偉業を知ることになる。
結構面白い!
現代の作品に比べれば、複雑さとかスマートさとかないけれど、西部開拓&西部劇への憧れを残していこうという気持ちが感じられる作品。ブロンコ・ビリーという西部のカウボーイの技を見せる旅芸人一座を描いた物語。アメリカという国は、「成りたい者に成ろうとすればなれるんだよ」というメッセージがさりげなく語られていた。確かにビリー一座は、犯罪者やらあぶれ者の集団。でも、考えてみればアメリカという国には、そういう流れ者も多かったはず。そんな国で、男は男らしく、女は女らしく、子どもは子どもらしくっていう、古典的なアメリカ人を賛美するようなメッセージを感じた。イーストウッドの西部劇への郷愁からくるものだろうか。ヒロイン役のソンドラ・ロックは、ダーティハリー4でも共演していたけれど、長い間、イーストウッドの愛人でもあったと知って納得。最後の方で、彼女が告白してから首ったけになる辺りは、演技を越えているようにも見えた。かわいらしい女へ変貌。他のイーストウッドでは味わえないような、ちょっと笑えて、人情を感じるところが良かった。
男気あふれるブロンコビリー
クリントイーストウッド扮するブロンコビリーマッコイは、ワイルド ウエストショーを開催していた。しかしショーの仲間には半年無給であった。
いくらビリーが仲間の恩人でも子供の笑顔より金を取るのかと言われても困るよね。でも銀行強盗もやっつけちゃうし、早撃ちは大したものだ。途中でソンドラロック扮するアントワネットリリーが加わったりして。刑務所で出会った者を仲間にする男気あふれるブロンコビリー。ソンドラロックはきつい役柄だったけど小柄でキュートな女優さんだね。
血気盛んなサーカス団長を演じる若きクリント・イーストウッドさんが新鮮
プライベートでもイーストウッドさんのパートナーだったことがあるソンドラ・ロックさん、とても綺麗な女優さんです
他にも何本かイーストウッド作品に出演していますが本作は気の強い高飛車な女性を演じています、クールビューティな見た目も相まってとても役に合ってました
半年も給料未払いなのについて行こうと思うほどの魅力を感じない団長に対するサーカス団員の気がしれないリスペクト加減、サンドラさんと継母との遺産相続の攻防の無駄な件、ベッドでサンドラさんに迫り拒否られるイーストウッドさんなど、粗削りなストーリー展開も目立ちますが、そこは昔の映画ということでご愛嬌
可もなく不可もなく、普通に楽しめる人情ドラマです
隠れた傑作、埋もれたままではもったいないです!
面白い!見終わったらほっこりします
中盤の大真面目な列車強盗は腹を抱えて笑い転げます
西部劇のようで、そうじゃありません
場所は西部の田舎ですが、時代は現代です
田舎町を町から町に巡業して回る、昔の西部を再現して見せる旅芸人の一座のお話
出し物は、アパッチ族の蛇ダンス、カーボウイ輪投げの曲芸が前座、そしてブロンコビリーの馬の曲乗りと、早打ちの披露、いよいよクライマックスは回転スタンドの女性アシスタントの両手両脇の間の風船を目隠しで二丁拳銃で打つ、最後は投げナイフで股間の風船!
なかなか高度な業を見せてますが、まあショー自体しょぼくて貧乏臭い
たぶん目隠しの技はトリックありなんだと思います
それでも田舎町のチビっ子達が目を輝かせてワクワクして見ています
とっても楽しいシーンです
ある町では、親の言うこときけよ、寝る前にお祈りしろよとか、ドリフみたいなことをチビっ子達に言ってます
一座のメンバーは、みんな訳ありです
ビリーだって、給料は遅配だし、言葉は荒いし、横暴です
でもみんなビリーを慕っているんです
彼を心から信頼して、強い絆で結ばれています
ビリーというのは本名なのかは怪しいです
ビリー・ザ・キッドから拝借した芸名でしょう
本当はカウボーイなんかじゃないのは中盤明らかになります
ブロンコというのは暴れ馬のこと
つまりじゃじゃ馬です
ここまで書けばもうお分かりですね
本作はシェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」が元になっています
ヒロインがアントワネットという、また浮き世離れした名前のじゃじゃ馬女
演じたソンドラ・ロックは、イーストウッド監督作品の前作「アウトロー」で清楚な美女のチョイ役で印象的だった女性
遊び人のイーストウッドが気に入って、遊ぶだけでなく内縁の妻同然とまでした女性
自分の監督作品なので、もちろんヒロインに起用です
滅茶苦茶いい女なんですが、本作の役柄はつんけんしまくりのじゃじゃ馬です
胸糞が悪くなるほどのクソ女
それがラストシーンでは、すっかり可愛い女性になっています
はてさて、昨今の世の中では、シェイクスピアのじゃじゃ馬ならし同様、フェミニストからは攻撃されるでしょう
それが本作があまり評価されずに埋もれた傑作になっている原因だと思います
でも、観れば分かる通り決して女性蔑視の映画ではありません
訳ありの一座のメンバーと同じこと、人種や肌の色、性別を越えて人間そのもの、個人の本質を理解しあって、表面的な人間関係ではない本当の友情、愛情、恋愛を謳い上げているのです
ラストのカーテンコールのシーンは正にそれです
アメリカ国旗を無数に縫い合わせて作った急造テントは、アメリカの国の価値観はこういうものだという明確な主張だったのです
ラストシーンは空撮になってテントを張っている田舎町が俯瞰されていきます
アメリカってそういう国なんだよとイーストウッドが言っているのです
隠れた傑作、埋もれたままではもったいないです!
ブロンコビリーという同名のステーキレストランがありますね
ステーキ食べに行きたくなりました
でも一座のメンバーみたいに喧嘩で大乱闘はしませんからご安心を
イーストウッドのやりたいこと
サーカスのテント小屋のような舞台で皿を撃ち、目隠しをして回転版の女性の風船を撃つ。すごい。テントが穴だらけになりそうだ。そもそも、子供たちのためにかなり慈善事業のように公演を繰り返す一座。団員もビリーに恩義を感じているが、まともな給料をもらってないのだ。
テントが火事になってから大きく変化した。テントも無くしてしまったし、「列車でも襲うか?」てなノリで列車を待つ仲間。しかし、列車は止まらず置いてけぼり・・・このあたりはかなり面白かった。いつも慰問に訪れている精神病院で星条旗を紡いでテントを作るのだが、ここにリリーの元夫が入院中。それほどの展開にもならず、平和に話が進むというアメリカらしい映画でした。
イーストウッドの偉大なるアメリカと西部劇愛
総合60点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
西部劇の人気がなくなっていった時代にイーストウッドが作ったのは、カントリーの流れる時代遅れな西部劇風の見世物一座の物語。その見世物の水準が寒いし盛り上がらないし登場人物たちは貧乏だしで、観ているこちらもかなり盛り下がった。金持ちだが家庭がひどくて不幸で性格がねじまがった女が加入した紆余曲折の後での前向きな彼らは、同じことをやっていてもずいぶんと雰囲気が変わって、生きることの喜びも将来の希望も見いだせていた。不幸を共有している彼らは幸せも作り出して共有していけるはずだ。
イーストウッドは西部劇でその成功への第一歩を踏み出した。その後は西部劇はどんどんと下火になって製作本数を減少していくが、この作品を観ていると彼の西部劇や西部開拓民への思い入れ、アメリカを作った人々の歴史への愛情が感じられた。「星条旗よ永遠なれ」が流れて全てアメリカ国旗で出来たテントの下での演目は、時代が変わっても西部開拓魂は死なないと宣言しているようだ。売れない貧乏旅芸人の生活を観ていると辛そうで自分も気が重くなるので個人的にあまり好きな主題ではないのだが、イーストウッドの愛情や思い入れが伝わってきた。
気持ちのいい映画
80年の映画なのにイーストウッドがもうかなりおじいちゃんぽかったので、この人は人生の大半をおじいちゃんで過ごしているのかと思った。
そんなイーストウッドがサーカス団のような見世物組織のリーダーで、団員はみな刑務所の仲間しかもみんな経歴を偽っているというのがとても面白かった。またお金や何かと引き換えに、魂の自由を謳歌している感じがとてもよかった。
イーストウッドのショーは女を円盤に貼り付けてグルグル回して、目隠しをして銃を撃って、女の周りの風船を割るというものだった。銃で風船を割った後は、ナイフで股間の風船を割っていた。果たしてトリックなのか、本当に凄腕なのか分からず、そのうち失敗して殺してしまうのではないかとハラハラした。
全体的に風通しのいい雰囲気がとてもよかった。
カウボーイ・ミーツ・お嬢様。楽しいロマコメでした
ブロンコ・ビリー率いる貧乏なウエスタンショーの一座に、お転婆娘がやってきて…。
1980年クリント・イーストウッド監督・主演作品です。
頑固なカウボーイ・ミーツ・生意気お嬢様。楽しくて幸せな気持ちになれるロマコメでした。
道中の雄大な風景が、ウエスタンな雰囲気を盛り上げます。大ピンチに進退きわまってカウボーイが思いついたのは…大笑いしました。
ブロンコ・ビリー、カメレオン君の西部劇「ランゴ(2011)」に出てくる"伝説のあの方"と、なんとなく重なるような気がしてきました。なりたい自分になればいいんだ。
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