ブロンクス物語 愛につつまれた街のレビュー・感想・評価
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「ブロンクス」を舞台にした少年から青年になるヒューマンドラマ
・強大な悪と弱いが正義である父の対比と悲しさ
・日常のすぐそばにある闇(悪)の存在に対するハラハラ感
・黒人と白人、タブー恋愛
・黒人と白人の対立
・友人との緊張関係
マフィアと子供
映画は脚本兼ソニー役のチャズ・パルミンテリの回想なのだろう、彼の父もバスの運転手だったと言うから主人公のカロジェロは彼自身のことと思われる。おなじイタリア系のデニーロはマンハッタン生まれだがブロンクスのリトルイタリーには友達がいたようだ、子供時代のことには特別の思い入れがあったのだろう、初監督、製作、出演、バスの大型免許まで取得と入れ込んでいる。ただチャズ・パルミンテリの配役縛りの条件が無ければゴッドファーザーⅡで名を成したデニーロとしてはソニー役の方をやりたかったのではないだろうか。
昔のブロンクスといえば街にはアル中、ヤク中がたむろし放火、殺人は日常茶飯事、荒廃の無法地帯と言われていたが黒人のいたサウスブロンクスに比べればイタリア系が多く住んでいた北部は少しは治安が良かったのだろうか、たぶん思い入れもあって映画化では手加減しているのだろう。
若いカロジェロが悪の道に染まっても仕方のない環境だったが実直勤勉な父の生き様やマフィアのソニーですらカロジェロを親身に可愛がり悪い仲間から救ってくれることで道を外さずに済んだということなのだろう。実話とすれば陰の父と慕うソニーへのチャズ・パルミンテリのレクイエムとも思える映画でした。
ただ、デニーロに似ている青年としてスカウトされたカロジェロ役のリロ・ブランカートは2005年に強盗未遂事件で服役と道を外してしまったのは残念だ。初恋のひとが黒人の美少女というのはデニーロの私生活をひっかけているのだろうか。邦題がおかしいのはいつものことだが副題の”愛につつまれた街”は美化しすぎだしロマンスを連想させるミスリード狙いなのか、陳腐でしょう。
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