プロフェッショナル(1966)のレビュー・感想・評価
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若い頃はあんなにワクワクしたのに…
昨年TV鑑賞した「エルマー・ガントリー」と
同じリチャード・ブルックス監督の作品とは
知らずに再鑑賞していた。
また、映画とはその鑑賞のタイミングで
随分と印象が異なるものだと
改めて思い知らされた。
故郷の映画館で最初に鑑賞したのは
まだ10代の頃だったと思うが、
色々な分野のプロが結集しての救出劇に
ワクワクして観た記憶が残っていた。
しかし、何10年ぶりに観直して
展開上のアラばかりが気になり、
その一つ一つをここに記載出来るほど
少なくはない残念な作品に感じた。
例えば出来の良くない回の「スパイ大作戦」のような御都合主義的な設定・展開と
言ったら良いだろうか。
アカデミー賞の監督・脚色賞や
ゴールデングローブ賞のノミネート作とは
驚かされるばかりだった。
「エルマー…」と同じバート・ランカスター
主演ながら全くジャンルの異なる作品だが、
共に映画作品としては演出の上手さを
感じられない監督に感じる。
「冷血」「ミスター・グッドバー…」等
まだまだ鑑賞の出来ていない
ブルックス監督作品だが、
あまり優先順位は高くないかなとの
イメージが残ってしまった。
クラウディアカルディナーレの魅力
リーマービン扮するリコファーダン は、バートランカスター扮するビルドルワースらとさらわれた女性の救出に向かった。崖をロープ一本で登るシーンなんぞ圧巻だったな。導火線の火がデカいのと、爆発まで30分もかかるのはしんどくないかね。クラウディアカルディナーレ扮する救った夫人もいかがなものかな。でもやっぱりハスキーヴォイスのクラウディアカルディナーレは魅力的だね。
バートランカスターって山猫にも出ていた俳優だった
いやあ、痛快だった。
4人の仕事師が粋で渋く、最後までミッションをやり抜く。
まさに題名にふさわしい。
誘拐犯から依頼主の妻を救出するはずが、最後は依頼主が誘拐犯扱いに。
彼らは、ビタ一文貰わず、言うなれば、『骨折り損のくたびれもうけ』
だが、鑑賞後は、金よりも自らの信義を重んじる男たちの爽やかさが残る。
プロだから、きっちりやってからの手のひら返し
メキシコの山賊に誘拐された妻を救出するために大富豪に雇われた手練れの男たち、黒澤映画「七人の侍(1954)」を思わせる助っ人集め、面子が揃ったところで作戦開始。それぞれのプロフェッショナルぶりを堪能あれということでしょう。
ところがどっこいこの顛末・・・。
メキシコの荒んだ政情に同情的とでもいうのか、はたまた荒くれ男に似合わぬフェミニズムなのか、顛末が高尚過ぎてアクションを単純に愉しんだ自分が恥ずかしくなるでしょう。
殆ど中身は西部劇だが1917年の設定なので機関銃やダイナマイト、自動車まで出てきます。
第一世界大戦が勃発しているが触れられない、同年2月メキシコ革命も新憲法制定で一段落かに思えた頃、山賊に身を落とした革命派軍人と雇われた男たちはかっての戦友という因縁の間がらというのが伏線でした、どうして最後まで引っ張るのか考えたら依頼された仕事は最後まできっちりやるのがプロフェッショナルという矜持なのでしょうと納得。
単純な金で女を縛るヒヒ爺いに糞くらえという方が分かり易いがイデオロギーを絡めるからアクション映画の醍醐味が薄れてしまった気もして微妙・・。
異色西部劇
元革命家で射撃の名手リコ(マーヴィン)、馬の専門家ハンス(ライアン)、ナイフと弓のプロである黒人ジェイク(ウディ・ストロード)に頼むが、リコはもう一人を望む。それはダイナマイトの専門家だが刑務所に入っている・・・ビル(ランカスター)だった。
メキシコ国境近くで早速敵のおでましだ。旅人かもしれないけど、「帽子を右手の上に持ってきたら撃て」「ニトロの水滴が付いたら使い物にならない」などと細かいところもカッコいい。逃走経路にも爆薬を仕掛け、プロらしいところ。「あのラザが身代金だって?」と古くから知ってそうなところもワクワクさせるところだ。
途中、列車を襲ったりするラザの一味。こいつら悪人やな~などと思って観ていると、隠れ家ではラザとマリアが仲がいい。簡単に連れ出し、仕事も簡単に終わるかと思っていたが、マリアが逃げ出そうとする。そう、リコもビルも元革命軍兵士だったのだ。マリアの話にも共感でき、ラザを殺さなかったのも理解できる。
革命とは善と悪の戦い。問題なのはどちらが悪なのか・・・といった台詞にも、雇い主グラントが悪だと訴えてくる内容。最初は単なる大金持ちのじいさんに頼まれることがつまらないと感じていただけに俄然面白くなってくる。しかし彼等はプロフェッショナル。金のためにマリアをグラントに渡すのが最大の仕事なのだ。「金のために死ぬのはばからしい」というラザの言葉。革命という大義のために命をかける男達。ちょっと変わった西部劇っていいですね~
ビルとラザがかつては親友だったというのに、マリアとの関係を知らなかった?という点だけは矛盾を感じるが、ラストの爽やかな終わり方にまいった!「誘拐したやつからマリアを連れ戻す」って台詞で、プロフェッショナルの名はしっかり守ってるところが偉い!
話が逆転していくのは面白いけど、その良さを生かしきれてない
総合55点 ( ストーリー:55点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
西部劇だが、もう1915年と第一次世界大戦が始まっている時代を背景にしている。そのため比較的に安定しているアメリカから離れて、まだまだ治安の悪いメキシコまで出かける。
たった四人の味方の攻撃がとても有効なのに対して、敵の攻撃が効果が薄くて殆ど当たらない。敵の親玉であるラザの正体がどんなやつかわからないままで物語が進み、彼の存在感がない。反面、さらわれた妻役のクラウディア・カルディナーレが、英語は下手だけど美貌と意思の強さで存在感を見せた。もっともその割には救出隊の言いなりになって一緒に逃亡するのはどうかと思う。
途中からは追跡や戦いよりも過去に因縁がある人間関係の話になってくるのに、その関係についての言及と描写が薄かったために話があまり盛り上がらない。誘拐された妻を救出するという物語が二転三転するのは工夫が見られて面白かったが、展開にご都合主義があるしその良さを生かしきれていない。
10万ドルの価値のある女
クラウディアの美貌はすばらしくて、粗末なワンピースでも、スタイルで輝いていた。綺麗だった…革命に手を貸した過去のある男が、革命軍のリーダーと交わす会話が印象的。
「永遠なのは死だけだ」
「革命が完全でないと嫌なのか、おまえはロマンティストだな」そして、ラストの「純愛に弱かったらしい」へ
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