ブロードキャスト・ニュースのレビュー・感想・評価
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真水みたいな作品
オスカー候補なんでいい作品なんでしょうが、ドラマ、サスペンス、コメディ、シリアス特になくつまらなくもないですが毒にも薬にもならない映画でした。
好きな人は大人の機微的なところをほめるんでしょうが感想ナシです。
ただ、主演女優は相当うまいです。
「青春ってイイな…」と思うテレビ局ロマンス映画
「青春ってイイな…」と思ってしまうテレビ局を舞台にしたロマンス映画。
個性の強い3人がぶつかり合うことが多いので、スクリューボール・コメディの様にも見える楽しい映画だった。
ワシントンのテレビ局でバリバリ働く女性プロデューサーのジェーン(ホリー・ハンター)は、彼女と長年一緒に仕事をしてきた有能なアーロン(アルバート・ブルックス)に好かれていたが、恋愛関係というほどではない。
そんなところに、地方局の「アンカーマン」のトム(ウィリアム・ハート)が局にやって来て、この三人による奇妙な三角関係の物語になっていくのだが、仕事シーンも入り混ぜての公私にわたるドラマが描かれる。
ここで、やたらと「アンカーマン」という字幕が出るのだが、映画を観ていると所謂「ニュース・キャスター」をそう呼ぶらしい。
しかし、人好きのする甘いマスクのウィリアム・ハート、思ったことを口に出す行動する迫力ある女性のホリー・ハンター、自分の知識や原稿書きに自信たっぷりのアーロン、この3人の個性がぶつかり合って、先が想像できない展開が本当に面白い!
なかなか見事な映画を観させてもらって、嬉しい。
硬軟両派
この時代らしいというか、女性の職場進出に恋愛もついてくるトレンディードラマ。ところが、恋愛ドラマという枠には収まらない硬軟両派の生き方の違いから職業倫理、更には両党の不可避の決裂と包含という現実を突きつけてくる。
槍玉にされても然るべきウィリアムハートのニヤケ顔は説得力十分、周囲の基準を押し下げる悪魔の所業と断じられるが、他方、彼が軟派でなければ生きられなかった経緯、本番前に秘伝の「シャツ」を開け、スタジオでは恐ろしいまでの完璧さを保つ。アーロンへのレクチャーで見せた軟派の極意、いやはや侮れぬ。最後のオチ、7年後の顛末と、社会への警鐘を忘れない。
職業紹介ものとしても面白い。締め切りギリギリの編集からジョーンキューザックのアクロバティックな走り、特別番組でのフロアとスタジオのやりとり。耳から口へと流れていく言葉。「頭の中に君がいた」は名台詞である。
何よりもホリーハンターのキュート百変化。冒頭の編集シーンでの噴き出す笑顔の完璧さにやられる。泣く、焦らす、試す、企む、真面目に切り返す、叫ぶ、怒る、デレデレ、世話を焼く、周囲を気遣う、自己嫌悪、呆ける、パンスト脱ぎ捨てる、眠気まなこで電話に出る。どのカットも魅力がはちきれている。ラストの7年後では、それを抑制。凄いものだ。ダサ可愛いシャツやトレーナーまでが愛おしい。
二人の男と一人の女
顔と要領はいいけど中身のない男、頭はいいけど顔と要領が悪い男、仕事はできるけど可愛げのない女…。
そんな三人の、どこにでも転がっていそうな三角関係をコメディタッチに描いた作品ですが、個人的には大好きな映画です。
イケメン役のウィリアム・ハートが狡さ軽さ可愛いさを絶妙に演じていて、観た当時はそりゃあもう虜になりました。
それより何より女に可愛げが無さ過ぎるところがイイ!
イイなあと思ったのは、辛い別れの後で女一人でタクシーに乗り込むシーン。
本当だったら泣き崩れるべき所なのだけど、女はしっかり者なので、細かい経路の指定をテキパキとしてしまう。
もの凄く悲しくても泣き崩れることなんて出来ない。強いから。
恋の成就だけが人生じゃないんだなと、観た当時思いました。
監督のジェームズ・L・ブルックスのいい所は、人の欠点を別に美化することなく描いて、それでも人生悪くないって思わせてくれる所。「恋愛小説家」もそうでした。
ほろ苦だけど楽しい映画です。
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