「南仏ノスタルジーな風」プロヴァンス物語 マルセルの夏 momogaria-noさんの映画レビュー(感想・評価)
南仏ノスタルジーな風
プロヴァンスで夏のバカンスなんて日本人にとっては憧れの響きだ。
9才のマルセルは教師である父と美しい母と弟と4人で慎ましやかに暮らす。
叔母の家族と共に、大らかな光が溢れる南仏の自然の中でひと夏過ごした。
子供ならではの瑞々しい目線に沿って、ストーリーは進む。
マルセルが大人になって昔の思い出を振り返る設定なので
セピア色の古びた映像が、どこかノスタルジーな感覚を引き出している。
なので、子供時代の感受性がよみがえり
あの懐かしい日々を疑似体験させてくれる。
子供の頃、両親が連れて行ってくれた千葉の海水浴場。
大嫌いな苦い海水や、刺身の美味しい民宿。歩いて買いにいったアイス。
捕まえた魚を海水ごとポリバケツに入れて
家に持って帰りたいと無理をいったこと。
子供のとき自分は何を考えていたか
どんなに親は自分を大切にしてくれたか・・・
この作品には、そんなことを思い返させる力がある。
決して派手な出来事はないんだけれど
日常を静かに描いたステキな映画です。
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