劇場公開日 1987年6月27日

「相手の趣味で狩られる人間の感じる恐怖」プレデター Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5相手の趣味で狩られる人間の感じる恐怖

2013年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

怖い

興奮

総合:90点
ストーリー: 90
キャスト: 90
演出: 90
ビジュアル: 75
音楽: 65

 恐怖映画としてまず面白い。正体もわからないし何が起きているのかわからない。最初は敵ゲリラの仕業だと思っていたくらいだから。
 その見えざる敵との戦いという活劇映画としてまた楽しめる。そしてどうも相手が只者でないことに気がついたとき、一流の兵士たちが恐怖を感じながらも猶立ち向かう姿がまたしびれる。この状況でもまだシュワちゃんはじめとしてみんな勇敢で雄雄しい。

 そしてこの作品で感心したのが、敵の設定。もしも人間が猛獣狩りを楽しむように、人間狩りを遊びで楽しむ生き物がいたら? そしてそれが人間よりも強いだけでなく知能が高くより高度な文明をもっていたら? ここの敵は、怪物が意味も無く襲ってきたり猛獣が食べようと襲ってきたり宇宙人が侵略しようと襲ってくるのではない。必ずしも必要の無い殺しをただ楽しむために、彼らから見て下等生物の安っぽい命を奪うのである。
 生物の頂点に立ち、狩をしても狩られることがなかった人間。時々猛獣に襲われ死人が出たとしても、基本的に武器を持った人間よりも強い生き物、まして賢い生き物は存在しない。それが人が一般に想像する高知能な高等生物とは似ていない、ただグロいだけのどちらかと言えば下等な外見を伴って現れるのがいい意味で期待を裏切る。そして高度な知性をもっているのに、見た目どおり思いっきり残酷行為を楽しむ生物という点では裏切らないのだ。
 そんな相手の趣味というか遊びで襲われ殺されるという恐怖を教えてくれる映画でもある。私も必要も無くアフリカあたりに行って猛獣狩りなんかしないことにしようと思います。

コメントする
Cape God