「戦利品は頭蓋骨」プレデター sankouさんの映画レビュー(感想・評価)
戦利品は頭蓋骨
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このシンプルさがやはり一番面白い。
危険が迫っていることを告げるような太鼓の音に、サーモグラフィーを通した何者かの視線。
ダッチ隊長率いるコマンド部隊はゲリラによって捕獲された政府の要人たちを救うためにジャングルに降り立つ。
そこで彼らは皮を剥がされ、宙吊りにされた無惨なアメリカ兵の死体を発見する。
野生の勘で何者かが隠れていることを見抜くビリーというキャラクターも面白く、序盤からジワリジワリと恐怖感が募らされる。
ゲリラとの銃撃シーンは一時、未知の生命体の存在を忘れさせる。
そこで彼らは自分たちに与えられた本当の任務を知らされるのだが、それはあまり本筋には関係ない。
結局彼らは任務を遂行するための駒でしかなかったということが重要だ。
任務を終えた彼らはゲリラの中にいたアンナを捕虜とするが、ついに未知の存在が牙を剥く。
ひとり、またひとりと犠牲者が増えていくが、ここもやはり見せ方が上手い。
特にカメラが上昇していき木のてっぺんに吊るされた死体が映し出されるシーンはおぞましい。
結局未知の生命体の目的は分からないままだ。
死体から頭蓋骨を引き抜き愛でる姿は恐ろしいが、どこか滑稽でもある。
後半までかなり緊迫感があって面白かったが、仲間を殺されたダッチが闘いを挑むために罠を仕掛けるあたりから少しトーンダウンしたように感じた。
体温を探られないために全身に泥を塗るシュワちゃんの姿は儀式めいていて面白かったが。
それにしてもかなり高度な文明を持っているはずのプレデターの視覚が壊滅的で、おそらく聴覚も嗅覚もそれほど優れていないというのは何となく滑稽に感じた。
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