劇場公開日 1985年3月16日

「薄気味悪さ」プレイス・イン・ザ・ハート Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0薄気味悪さ

2018年6月24日
iPhoneアプリから投稿

常に闇に滑り落ちるような危うさを感じる。サリーフィールドの不安をたたえた神経質で不安定な表情がこの映画にサスペンス的要素の象徴。実際、予定調和でない台詞やシーンがどんどん放り込まれ、それぞれの人物像が陽陰共々描かれていき、薄気味悪い人間の業や闇に吸い寄せられてしまう。
浮気男エドハリスのくだりは、話の主筋からすると不要としても良いところ。しかし、衝撃のラストシーンで、映画の構図が明らかになる。視点が一気に雲の上に飛ぶ。生けるものも死んだものも、差別するものも差別されるものも、ハンデのあるものも五体満足なものも、男女も、肌の色も、全ての者が等しく生きており、そして生きることの意味が問われる。
実に台詞も演出も演技も細かい。観終わってからもジワジワくる。必見の一本。

Kj