プリンス・オブ・エジプトのレビュー・感想・評価
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出エジプトし脱奴隷をしたヘブライ族
紀元前から奴隷制はあって、
人間という生物は地球のどのエリアにおいても、
違う人種には脅かされると錯覚し、
「虐殺」「隷属」を考えてしまう生物なのだなと。
そして、あぁ宗教とはこういう時に入り込んでくるのだなと。
旧約聖書を習うときに必ず教わるモーゼの十戒。
ヘブライ人が増えすぎた時の反逆を恐れ、王政を守るために奴隷とするヘブライ人の男子は皆殺しを命じていたエジプトのファラオと、ファラオの焦りを肌で感じながら幼い時から王になる存在として育てられ、王政を自分の代のわずかな綻びから崩してはならないと義務感を背負う長男。長男が幼い頃に、ヘブライ人であるモーゼの母はエジプト兵による男子虐殺から免れるためモーゼを川に流したが、まさかの王室に流れ着き。
ヘブライ人ながらモーゼはエジプト王室で家族の一員として大切に育ててもらった。
長男ラムセスと次男モーゼはとても仲が良かったが、本当は出自の違う者同士。
モーゼが奴隷に紛れている実の家族との一瞬から、赤ん坊の頃の僅かな記憶を取り戻して出自に気が付いてしまった時、王室から見て信じてきた美しく整い恵まれたエジプト国と、それを支える、日々奴隷として建設のためにこき使われるヘブライ人達から見たエジプト国の違いに思い悩む。
人が権力や肩書きで判断されるのか?
僅かでも分け合えば、みんな幸せ。
自由がもたらす平和。羊が頼るのは王ではなく羊飼い。
そこに気がついた時に現れる神。
神が権力を持つ訳ではないという理論上、
あなたは神?と言いたげなモーセに
「私は私でしかない」と答える神だが、
「エジプトからヘブライ人を去らせろ」と言えば、すぐに応じては貰えないが色々なサポートをするだの、
モーゼの肉体を使う気満々。
ヘブライ人の敵的存在の元王子で、エジプトのことも家族だと思っていたが、どうやってヘブライ人を救えばわからずに葛藤していたモーゼにとっては絶好の機会となったが、神を信じるきっかけにもなった。
エジプトでの神は太陽神ラー。
ヘブライ人モーゼが信じるのは、天からの謎の声。
もしかしたら、ライオンキングのシンバが父親の声で「役割を果たせ」と王の使命を自覚し決意する場面同様、神というよりモーセの中の内なる声だったのでは?
その後の、モーセの杖が発する海を血に変えたりの怪奇現象は謎。
伝染病が流行ったり、扉に羊の血を塗っていなければ、その家の長子はエジプトヘブライ問わず皆殺しなども、謎。
モーセの命とすると、その後のリーダーとしての信頼性に響くから、モーセが隠れて誰かに命じたのか否か。
よくはわからないが、エジプト王として即位した義兄には、義兄も子供を失ったのでモーセへの神のお告げ通り効果抜群。ヘブライ人解放を許可した。
だがエジプトから出ようとゾロゾロとヘブライ人が列をなし歩くと、王と兵達が追ってくる。
ヘブライ人が波打ち際まで追い詰められた時、海が開いて無事ヘブライ人だけが対岸へ渡れた。
兄の子はとんだ巻き込まれなわけで。
兄も家族を失ったらそれは、憎しみや歪み合いを生むに違いないのだわ。
モーゼに命じたその声は、1番やってはいけない非常に強引な方法を取ったが、親の気持ちがわからないのか?
根回しを静かに進めて、ある日突然、ヘブライ人全員が出勤せず波打ち際に向かう方法では海は開かなかったのか?
よくわからないがそのヘブライ人がイスラエルに定住したのち、イエスが誕生する。
そこでも、イスラエルを含んでいたローマのヘロデ王は暴君だし、イエスが主導者となり始め、脅威となり嘘つき扱いされた後、皆の罪を背負う意識で十字架を引きずり手足に釘を打たれ数日晒された後亡くなる。
それから2000年近く経ってもまだ、地球のあちこちで植民地、奴隷、人身売買、武器売買、紛争、世界大戦、虐殺、止まらない。
ましてやユダヤ教、ユダヤ教徒イエスキリストを信仰するキリスト教が染み付いて教育されているであろう、イスラエルの白リン弾によるガザ攻撃と長年のパレスチナとの一触即発。
なぜ懲りないのか人間は。
親になると、子を川に流したモーゼの母も、住民登録のために臨月でナザレからベツレヘムまで歩かされても馬小屋でなんとか無事に出産し育てた子が宗教首謀者となっていき罪人として殺される壮絶人生なマリアも、子を守りたい一心だったはずで。
民族対立や政治のいさかいなどに我が子や家族が巻き込まれて欲しくないのは、現代のあらゆる国の母親達も絶対に同じはず。
どこかに争いたい政権がある限り、世界中の外交が影響を受け警戒から軍事に予算が流れ、国民の生活に響く。
戦争で誰かが亡くなれば、その背景の家族や大切な人達の中に悲しみと憎しみが生まれ、反発の元となる。
みんな守ろうとしているだけなのに、戦争のもとになるのがもどかしい。
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