不良少女モニカのレビュー・感想・評価
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孤独な青年ハリーと奔放な少女モニカの話
孤独な青年ハリーと奔放な少女モニカと知り合い、やがて子供が生まれて結婚する。しかし退屈な貧乏暮らしに飽きたモニカは彼のもとを去っていく。ハリーは残された子供をひとりで育てていく決心をするのだった。
浮気前、肉厚の唇有するモニカの表情のクローズアップが印象に残った
イングマール・ベルイマン 監督による1953年製作のスウェーデン映画。原題:Sommaren med Monika、配給:新東宝=映配。
ベルイマン監督は1918年生まれだから、34〜35歳時の映画。一見、若者の青春映画風だが、主人公が、赤ん坊を置き土産に遊びたいばかりの若妻に出ていかれる内容で、苦味感が満載の映画。また見終わって後、ポスターを見て驚かされた。今見ると何てことない映画だが、当時としてはヒロインの肌露出度がかなり衝撃的だったのかも。
当時、監督(1951年に3度目の結婚していたが)と恋愛関係にあったハリエット・アンデルセン(1932年生まれ)のデビュー映画だそう。あまり美人とは思わないが、みずみずしい肢体で未熟さも見える彼女が後年「叫びと囁き」の次女役を演じた思うと感慨深い。
モニカ役の彼女、出来ちゃた結婚で出産後子育て放棄し、旦那留守中で元カレと浮気する役柄。浮気前、彼女の表情のクローズアップアップ、特に肉厚の唇の映像が何とも艶かしい。その映像は、監督が恋人の、ひいては女性の内なる欲望を冷徹に暴き出している様にも見え、芸術至上主義というか、女を知り尽くしているというか、ベルイマン監督のこわさを感じた。
監督イングマール・ベルイマン、脚色イングマール・ベルイマン、原作P・A・フォゲルストレーム、製作Svensk Filmindustri、撮影グンナール・フィッシャー、セットP・A・ルンドグレン、録音Sven Hansen、作曲エリク・ノルドグレン。
出演 ハリエット・アンデルセンMonika、ラルス・エクボルイHarry、ジョン・ハリソンLelle、ダグマー・エベッセンHarry's Aunt、オーケ・フリーデルMonika's Father、Naemi BrieseMonika's Mother。
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