フランツの自由

劇場公開日:

解説

多感な少年が味わうつかの間の自由と現実をモノクロームの映像で表現した中編。本作は「ワラー最後の旅」のクリスチャン・ワグナー監督の自主上映作品で、製作、脚本も担当している。撮影はハインツ=ぺーター・ガイスラー、ハインツ=ギュンター・ウェーバー。音楽はフロリアン・ミュラー。出演はギュンター・ブルガー、アンケ・ギュンツェル、ハインツ・タンドラーほか。

1983年製作/52分/西ドイツ
原題または英題:Eingeschlossen freizu sein
配給:シネマ下北沢
劇場公開日:1999年8月1日

ストーリー

ドイツの刑務所。ヤスリを研ぐ作業をしていたフランツ(ギュンター・ブルガー)は隙を見て脱走を決行する。スクーターを盗み、走行するうちに、ヒッチハイクをしている少女を見かける。スクーターを止め、後ろに乗るよう勧め、二人の旅が始まるのだった。家出をしているというアンドレア(アンケ・ギュンツェル)は、刑務所を何度も往復していると打ち明けるフランツに、人生をやり直すためにも新たな一歩を踏み出すようやさしく促す。そして二人は工場跡地にあったトレーラーで生活を始める。跡地の番人は不審に思い、跡地の所有者を伴って二人の前に現れるが、意外にも所有者はトレーラー暮らしを快諾するのだった。しっかり者のアンドレアにひかれながらも素直になれないフランツ。獄中から何度も母親に手紙を書いたのに、一度も返事をもらえなかったことも彼の心にひっかかる。ある日、アンドレアの忠告に従い、フランツは意を決して母親に電話をする。ところが母親は不在だった。そこで、直接母親のもとへ行くことにした。フランツは一人でアパートの前に着き、インターホンを押す。母親はインターホンには応じてくれたが、家に入ることはできなかった。そしてその足で警察に赴く。刑務所にはヤスリを研ぐフランツの姿があった。

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