「Earn This.」プライベート・ライアン shimeji'slistさんの映画レビュー(感想・評価)
Earn This.
映画の最初のシーンは現在のライアンが国立墓地を訪れるシーンから始まり、一通り前線にいた時のストーリーを回想した後にまたお墓の前に佇むライアンに戻るのですが、約2時間半ライアン救出作戦の世界に入り込んでしまいました。
Amazon Primeの紹介欄に「冒頭30分のノルマンディ上陸作戦の描写は映像・音響ともに迫真の名場面、、」とあったのですがまさにその通りで今までに見たどの戦争映画よりも克明に描かれていて音も映像もクリアな分前線の状況が自分の中にスッと入ってきました。スッと入ってはくるのですが何とも重たい現実で咀嚼するのにはかなり時間がかかっています。(多分理解しきれていません。)演者の中ではバリーペッパーさんが印象に残っています。よく戦争映画に出演されている印象があるのですが彼が映画の中で放つ雰囲気から私たちは単に戦争映画を見て浸って理解した気になってはいけないと毎度作品を見るたびに感じます。理解できたと思ってはいけない、どれだけそう努力しても過去に起こったこの現実を私たちが理解することは難しくあくまでも過去を見る視点で捉える必要があると考えています。
激しい前線の描写やその中での兵士たち一人ひとりのキャラクター、ライアンが実家での思い出を語るシーンなどで普段私たちと変わらず普通に生活していた若者達が有り得ない状況に置かれていた事実があったのだと再確認させられました。他にもミラー大尉が周囲に与えた影響、アパムが見せる弱さや強さ、ライベンの仲間思いの明るさなど人として学ことも多いフィルムでした。
連合軍もドイツ兵も生きて帰ることのできた兵士も亡くなった兵士も全員が今幸せに生きることのできている私と同じだったはずなのに、次々と命だけでなくもっと多くのものが奪われていくこの状況が世界各地で現実として起こっていることに対して込み上げてくるものがありました。
評価4.5というのは個人的には最高評価で5は何か自分の中で大きな作品が出てきた時のためにといつも残してあります。
自分の鑑賞後の感情を沢山並べてしまい読みにくい文章だったと思いますが、最後まで読んでいただいた方に感謝します。