「戦火に散った思い」プライベート・ライアン eichanさんの映画レビュー(感想・評価)
戦火に散った思い
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本作品は、しょっぱなのノルマンディー上陸作戦に始まって終幕まで、戦争のリアルな戦闘と実態の映像化に見事に成功していて、観ている観客はバーチャルリアリティーな戦争体験に陥り、否応なしに死の恐怖を煽り立てられる。それは生と死の境を常に跨ぎ、一歩間違えば死の、生還困難な状況に身を置くからだ。それが戦争の現実である。
物語で兵士たちは奇抜な任務を遂行上、戦死者を出してまでの意義の有無の疑問を抱きつつ、その任務に清廉な大義を見出だそうと努める。しかしそれはむしろ生還者の側に託されていて、生還した主人公が語る通り、生き残った命を精一杯燃焼し、それから自分が思うに、強いてはより良い社会を築いてゆく責任であるように思える。それは戦火に倒れた者たちが実現したかった生き方だ。我々はそれを肝に命じて生きてゆかねばならない。
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