「科白の洪水で動きのない舞台劇」冬のライオン Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
科白の洪水で動きのない舞台劇
総合50点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:40点|ビジュアル:60点|音楽:70点 )
一つの城の中で王家の一家がその他少数と王位や領土や権力をひたすら言い争う話で、映画としての動きが殆どない。調べてみると元々が舞台劇の映画化らしく、それも当然か。感情を表すのも状況を説明するのも科白を言い続けることで進む物語はまるで言葉の洪水で、台本はさぞかし分厚かったことだろう。舞台劇が好きな人にはこういうのもいいだろうが、映画としての面白みには欠ける。賞もいくつかとった作品ということだが、見どころはその後有名になった若手俳優たちと実力派女優による長科白をやたらたくさん覚えた出演者の演技力くらいで、作品自体は特に面白くもない。いくら基が舞台でも、映画化するからには映画としての良さを生かす躍動感のある演出をするべきだと思うが、そのあたりの工夫が見られない。「クレオパトラ」も似たような作品で退屈だったが、少しは映画としての見せ場も作った。本作品は最初からそのようなことをする気すらもないようだ。
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