冬のライオンのレビュー・感想・評価
全6件を表示
フィクションだから、男女の愛憎とか家族の絆を描いているのだろうが、...
フィクションだから、男女の愛憎とか家族の絆を描いているのだろうが、エレノアとヘンリーの結婚自体に問題がある。エレノアは元々カトリックの国から嫁いでいる。しかし、エレノアは元々結婚をしていた。それを離婚してこのヘンリー二世と再婚している。つまり、こう言った事がたびかさなって、イギリス国教会とカトリック教会が決別を迎えるのだ。
もっとも、この映画の中ではエレノアに対して離婚を切り出す様な台詞があるが、実際は離婚などしていない。
映画が終わって見れば、大団円の様に描いているが、もっともっと、酷い状況だったと思える。
何処かの名画座で見た記憶が無い。
ジョン・バリーの音楽は良く覚えている。テレビかなぁ。
映画雑誌の特集が組まれていたような記憶があるが、僕がその雑誌を定期的に買い出したのは1971年の7月号だったと思うので、封切りの特集ではなくて、ピーター・オトゥールの特集だったと思う。
原題 The Lion in Winter
製作年 1968年
製作国 アメリカ
劇場公開日 1970年2月4日
舞台劇
2人の名優による圧倒的パフォーマンス。映画的な高揚感は皆無ですが、これぞ演劇という感じでグイグイ引き込まれました。
ピーターオトゥールのパワフルな演技、キャサリンヘップバーンの唯一無二の存在感。素晴らしい!
観終わって残る印象は、「バージニアウルフなんか怖くない」と似たものがあります
もともとブロードウェイの演劇
それを映画にしたもの
だからかなり舞台劇ぽいです
しかしセットや野外ロケは映画らしくなっています
時は1183年のクリスマス
場所はフランスはパリの南西250キロのシノン城
お話はプランタジネット朝イングランド王国の初代国王ヘンリー2世とその王妃エレノアが、二人の3人の王子、愛妾アレース、フランス王フィリップを駒にして繰り広げるチェスのような権謀術数、裏の裏の裏を読みあう物語
当時のイングランドはヘンリー2世によって、イングランドのみならず、アイルランドの一部、そしてピレネー山脈に至る南フランスに広大な領土を獲得しており、後世に「アンジュー帝国」と呼ばれる時代
そう言った歴史を頭に入れてみると、興味を維持できると思います
これからどうなるのか?、三人の王子の誰が王位を継ぐのか?
それはまた歴史の本を読み返す楽しみにしましょう
本作はその歴史を背景に、ヘンリー2世と王妃エレノアとの夫婦の物語です
観終わって残る印象は、「バージニアウルフなんか怖くない」と似たものがあります
ピーター・オトゥールは、アラビアのロレンスやおしゃれ泥棒の時のようなスマートさはなく、正にヘンリー2世の姿として伝えられる猪首、大腹の姿になっています
熱演です
そしてエレノア王妃のキャサリン・ヘプバーンが彼に負けない名演技を見せて、正に名演合戦と化します
夫婦のなれの果て、行き着く先はこれかと、これから結婚しようという若い人には夢も希望もないテーマですが、結婚も長くなった方ならリアリティがありすぎて、身につまされることでしょう
エレノア
イングランド王ヘンリー2世にとり 後継問題と10以上年上の強烈な妻エレノアが頭痛の種
(幽閉しちゃう)
物語は 1183年のクリスマスに皆が集まる、という設定で展開される
彼女が溺愛するリチャードが 女性にあまり興味が持てなかったらしいのも、そんな彼を(勇猛果敢にも関わらず) ヘンリーが遠ざける… みたいなのが何となくわかる
二人の権謀術数に長けたところだけを受け継いだジェフリーが嫌われるのも
恵まれたエレノアが 年老いて(性格もあると思う)
夫に顧みられなくなった時の苛立ちと悲しみを
ヘップバーンが上手く演じていて真価を見せている
傷口に塩を塗りあうような二人が 後継問題(共通の悩み)、歳月(共通の敵)に触れ 相憐れみ
互いの闘争心を誉め称える展開に
戦士の文化か
そしてやっぱり彼女は頑張り、彼より長生きしていた(笑)
俳優たちの迫力
歴史の一幕と意識してみるのも面白い。
俳優の、どの人をとっても見事なセリフと表情に圧倒される。
ただ、英語のライムや、言い回しの妙がわからないのが、悲しいかな、この映画の良さをわかりきれないところ。元来、日本語でも言葉遊びはあまり味わえないので、母語だったとしても堪能できたかは、疑問だけど。
それと、当時の宮殿や王の居室などが、どこまで歴史考証されているのかわからないが、素朴で、興味深くみた。
科白の洪水で動きのない舞台劇
総合50点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:40点|ビジュアル:60点|音楽:70点 )
一つの城の中で王家の一家がその他少数と王位や領土や権力をひたすら言い争う話で、映画としての動きが殆どない。調べてみると元々が舞台劇の映画化らしく、それも当然か。感情を表すのも状況を説明するのも科白を言い続けることで進む物語はまるで言葉の洪水で、台本はさぞかし分厚かったことだろう。舞台劇が好きな人にはこういうのもいいだろうが、映画としての面白みには欠ける。賞もいくつかとった作品ということだが、見どころはその後有名になった若手俳優たちと実力派女優による長科白をやたらたくさん覚えた出演者の演技力くらいで、作品自体は特に面白くもない。いくら基が舞台でも、映画化するからには映画としての良さを生かす躍動感のある演出をするべきだと思うが、そのあたりの工夫が見られない。「クレオパトラ」も似たような作品で退屈だったが、少しは映画としての見せ場も作った。本作品は最初からそのようなことをする気すらもないようだ。
全6件を表示