「こんな作品に出会うために映画を見続けている」冬の旅 エロくそチキン2さんの映画レビュー(感想・評価)
こんな作品に出会うために映画を見続けている
未見だったアニエス・ヴァルダ監督作。
そしてこれはオールタイムベスト級の決定的な作品だった。
少女の凍死体。ヒッチハイクをしながら旅を続けていた彼女が命を落とすまでの数週間を彼女と出会った人たちの証言でたどった。
世間に馴染むことなく一人で生きる彼女。
面倒だと言って働こうともしない。
彼女自身も予期しなかったであろう自らの死。
周りに存在するリスクにさえ無頓着だった。
う〜ん、これは感情を挟む余地がない必然的な悲劇。何にもないクソのような人生に共鳴した。ヒリヒリした。
今年出会ったバーバラ・ローデンの
「WANDA ワンダ」(1970年)、
そして昨年出会ったケリー・ライカートの
「ウェンディ&ルーシー」(2008年)
を思った。
時や国を超えて脈々と受け継がれるDNAがあることを確信した。
自分はこんな作品に出会うために映画を見続けているのだと思う。
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