武器よさらば

劇場公開日:

解説

戦前「戦場よさらば」の邦題でフランク・ボザーギ監督作品となったことのあるアーネスト・ヘミングウェイの原作の、「白鳥(1956)」を監督したチャールズ・ヴィダーによる映画化。脚色は「失われたものの伝説」のベン・ヘクト。撮影は「白鯨」のオズワルド・モリスと「人間と狼」のピエロ・ポルタルピの2人。音楽はマリオ・ナシンベーネ。アンドリュウ・マートン、ステファン・グリムス、ピーター・ニューブルックの3人が、協力という名目でスタッフに名を連ねている。主演は「翼に賭ける命」のロック・ハドソンと「慕情」のジェニファー・ジョーンズ、「モンテカルロ物語」のヴィットリオ・デ・シーカ。「戦争と平和」のオスカー・ホモルカ、「失われたものの伝説」のカート・カズナー、マルセデス・マッケンブリッジ、フランコ・インテルレンギ、ヴィクター・フランサン等が助演。欧洲側の人材登用が目立つ。製作デイヴィッド・O・セルズニック。

1957年製作/アメリカ
原題:A Farewell to Arms
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1958年4月5日

ストーリー

第一次大戦中、イタリア・オーストリア国境の山々に白雪がふりつもる初冬。アメリカ人でありながらイタリア軍に志願入隊しているフレデリック・ヘンリー(ロック・ハドソン)は、休暇から帰ってきた夜、リナルディ軍医少佐(ヴィットリオ・デ・シーカ)の紹介でイギリス赤十字の看護婦キャサリン・バークレイ(ジェニファー・ジョーンズ)を知った。出撃の日近い夜、強引に温室にキャサリンをさそったヘンリーは、激しい雷鳴のさなか彼女と結ばれたが、翌朝の出撃の雑踏が2人を別れさせた。イゾンツォ河畔の戦闘は激烈をきわめた。多くの戦友の死。ヘンリーも膝に重傷を負って護送された。陽光暖かいミラノの病院で、再び会ったキャサリンとヘンリーは幸福に酔った。しかし夏がきて、ヘンリーの愛のしるしを宿したキャサリンを残して、彼は前線に復帰させられる。山岳地帯の激戦でイタリア軍は敗退し、雪どけの山野に戦列は混乱した。乱戦の中での、反逆罪の名によるリナルディとヘンリーの逮捕と、リナルディの銃殺。ヘンリーは1人逃れてキャサリンの待つミラノへの道をたどった。おちあった2人はマジョーレ湖を渡り、夜の冷雨に中をスイスに入る。ロカルノから、更に美しい奥地へ、平和な天地の中で、またつかの間の幸福が2人に訪れてきた。やがて年をこえた3月、キャサリンの肉体から新しい生命が誕生する時がくる。けれども、激しい苦痛が彼女を襲い帝王切開手術のすえに、彼女は死んだ。雷雨のなかを、連合軍のドイツ本国総攻撃の報がもたらされた日だった。病院の外には雨がふっていた。総ては空しかった。ヘンリーは1人、朝の雨のなかを街に向かって歩った。

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映画レビュー

0.5題名の意味が分からない

2023年5月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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マサシ

4.0本は以前に読んでいたが、映画も良かった。 雪の戦闘シーンや、アルプ...

2022年5月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

本は以前に読んでいたが、映画も良かった。

雪の戦闘シーンや、アルプス、湖の情景が印象に残った。

多くのエキストラでの敗走シーンも見どころがあり、

映画ならではの臨場感がある。

ただ、本では、自らの行き先に何となく不幸を感じるキャサリンなのだが、

ヘンリーとの束の間のスペイン生活を満喫していたところが、

すごく印象に残ったが、映画ではすんなりだったので、ちょっと違うなと感じた。

なぜならヘミングウェイが言いたかったことは、将来に不安があっても今を

生きて、命の炎を燃やし尽くそうというところだと思う。

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藤崎敬太

2.0「武器よさらば」とは厭戦による軍隊からの脱走のことだった…

2022年5月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

NHKの「100分de名著」の
ヘミングウェイスペシャルを見た後、
「移動祝祭日」と「老人と海」を読んだり等、
少し彼の世界を
囓っていたことがなければ、
たまたまNHKで放送されたものの
キネマ旬報でどなたからの1票も
獲得することのなかったこの映画を
鑑賞する気にはならなかったかも知れない。

前半は不要に思われるシーンが
長々と続き没入出来なかったが、
後半の要衝地からの撤退シーン以降になって
少しは作品の世界に入り込むことが出来た。

そこでは、戦争による悲惨さと理不尽さが
これでもかと叩き付けられるような描写が
続き、ようやく作品の要点が見えた。

そして、病院の攻撃シーンなどは、
現在のロシアによるウクライナ侵攻をも
思い出させられる。

ところで、戦時における
国際上の軍規のことは分からないが、
この物語の場合
状況的に難しいケースではあったろうが、
主人公は外国からの志願兵なので
厭戦なのなら脱走ではなく除隊すれば
よいと思うのだがどうなのだろうか。

また、戦争が遠因なのかも知れないが、
かなりのボリュームでの
最終話の難産による母子の死は
この物語全体の中でどんな位置付けなのかが
私には理解が出来なく、
全体に冗長感漂う雰囲気と共に、
この作品の評価そのものに影響している
ように感じる。

この物語、ヘミングウェイはどんな点に
ウエイトを置いて書いた作品だったのかは
分からないが、
少なくとも映像作品として
戦場シーンにお金を掛けた割には
演出力がついて行っていない感じを受けた。

それにしても中盤での
「ドイツは兵器開発に力を注いできた、
イタリアは文化に力を注いだが
戦争では何の役にも立たない」
との上官の話は、
他国へ軍事力で侵攻する国のある昨今、
不気味な台詞として心に残った。

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KENZO一級建築士事務所

2.5フレデリックに馴染めず

2022年5月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ロックハドソン扮するフレデリックヘンリー中尉は 無事に帰還し、ジェニファージョーンズ扮する救急看護奉仕隊キャサリンバークレーに出会った。どちらかというとキャサリンはフレデリックに厳しく接したが、明日進軍だと言われ気を許した。キャサリンは雨が恐いと言った。

ちょっとふたりの展開が早すぎるね。それに個室で 駄々っ子の様に振る舞うのも興ざめだな。アル中でもあるまいに病室で酒を要求したりフレデリックの態度が悪過ぎるからか愛する麗しい映画とは感じられなかったよ。大作だがフレデリックに馴染めず残念だ。結婚もしくは子供が出来たらキャサリンはイギリスに送り返されてしまうなんていう規則もおかしいよね。

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重
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