「飾らないフォレストの一生」フォレスト・ガンプ 一期一会 ちふゆさんの映画レビュー(感想・評価)
飾らないフォレストの一生
フォレスト自身の語る、彼の半生。
辛いことの多かった幼少期を乗り切ることができたのも、その後起きる様々な苦難を乗り越えることができたのも、きっとジェニーの存在があったからだろう。
ジェニーが素直にフォレストを求めてくれたら、きっともっとずっと幸せだったはずだ。
だけど彼女は恐らく子供の頃に父親から性的虐待を受けていて、自分にはフォレストみたいな穢れなき綺麗な存在と一緒にいる資格はないと思っていた…そんな気がした。
だから自分の価値を落とすような行為ばかりしてしまう、とてもリアルで切ない存在だった。
死が目の前に迫ったとき、自分の気持ちに素直になってくれて本当によかった。
一方で、常に希望を忘れずにフォレストを明るく照らしてくれたババ。
彼がいたからこそ、巡り巡ってダン小隊長も救われた。
神と仲直りしたダン小隊長は、最高にカッコよかった。
オーダーメイドの新しい脚と、素敵なフィアンセと一緒に幸せな人生を歩んでいってほしい。
フォレストが息子の存在を知ったとき、真っ先に知能の心配をした場面が印象的だった。
彼は自分の障害を気にしていないと思っていたからだ。
だけど違った、幼い頃からずっと辛かった。その記憶は何十年経っても忘れることがなかった。
息子は優秀だと聞いて心の底から安堵した彼の表情が忘れられない。
ラストシーンで再会した、スクールバス運転手のドロシーは思わぬサプライズだった。
スクールバスを見送ったフォレストの足元から飛んでいった羽は、鳥に生まれ変わったジェニーを思わせる。今頃自由に羽ばたいて、最愛の二人のフォレストを見守っているに違いない。
彼の数奇な半生を追体験できる、素敵な作品に出会えた。