「【幸せそうな男と不幸せそうな女】」フォレスト・ガンプ 一期一会 芥さんの映画レビュー(感想・評価)
【幸せそうな男と不幸せそうな女】
名作と名高い『フォレスト・ガンプ/一期一会』。
満を持して刮目させて頂きました。
一言で言えば、モヤッとする感情が芽生えました。
1つの事を盲目的に、また完璧に遂行し、一般的な幸せを手にしたフォレスト。
家庭暴力、反戦思想、ドラッグ、様々な不幸に見舞われ、一般的な不幸を手にしたジェニー。
この2人が織り成す不思議で、一見喜劇にも思える今作。
「幸せなんて人それぞれだ」と言われているような映画かと思いましたが、色々な方々の感想や見解を散見させて頂くと、アメリカのプロバガンダ的映画なのだとも気付きました。
僕のように物語を物語としてしか見ない者は、フォレストガンプのただの人生賛歌のようしか見えなかったのですが、色々な見方があるそうで、それもそれで面白く感じます。
ただ、冒頭にも申しました通り、モヤっとする感情が芽生えたのは、ジェニーの所為です。こいつが悪い!みたいな意見は短絡的で浅はかなのであまり言いたく有りませんが、普通に好き勝手やりすぎやんけと思ってしまいました笑。フォレストをチョコレート箱の端に残して置いて、都合が悪くなったら最後に美味しくパクッと頂いているような、人間としての薄汚い醜悪さを感じました。
それでもフォレストにとっては、自分が曇りなく愛した女性。その女性が他人から見てどんなに醜悪だろうと、子供と血が繋がっているのか不明であろうと、彼女が金に目をつけ連絡して来たであろうと、彼にとっての幸せは、昔から、ジェニーのボーイフレンドになることでした。
ですが客観的に見れば、フォレストが純情かつ、純粋な余り、家庭の所為とは言い通せない程に、ジェニーがただただ嫌な奴に見えましたね笑
ですが、ラストはジェニーもフォレストもある意味幸せになれたのではないかと、勝手に解釈しています。そこがまたモヤっとするのですが笑
確かに名作と言われるに相応しい映画ではありました。物語のプロットが完璧で、序盤から終盤にかけて、フォレストがただバス停で出会った人に語りかけ、人生を振り返るかのようなストーリー展開は目を見張る程美しかったです。