「【”或る高名映画監督の深い憂愁。”今作はフェリーニ監督自身と思われる主人公の映画監督が、スランプに陥る中美女揃いの女優陣、妻と接する中で半生を顧み再生する様を不可思議で幻想的に描いた作品である。】」8 1/2 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”或る高名映画監督の深い憂愁。”今作はフェリーニ監督自身と思われる主人公の映画監督が、スランプに陥る中美女揃いの女優陣、妻と接する中で半生を顧み再生する様を不可思議で幻想的に描いた作品である。】
■高名な映画監督・グイド(マルチェロ・マストロヤンニ)はスランプに陥り、心身を回復させるために療養と称し温泉にやって来る。
妻とも愛人とも距離感を覚えている彼は、若い女優のクラウディア(クラウディア・カルディナーレ)に心奪われていた。
やがてグイドは温泉地で過ごす中、現実と虚構の区別がつかなくなっていくが、その中で半生を顧みて、謙虚な心持になって行くのであった。
◆感想
・今作を最初に観たのは、大学時代である。
映画館の息子で、映画好きな級友の家で「シャインング」を”ウヒー!”と言いながら観賞したり、名画座(ミニシアター)でジム・ジャームッシュ監督の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ダウン・バイ・ロー」など初期作品を鑑賞し、”ヤッパリジム・ジャームッシュ監督のオフ・ビート映画は良いな!”などと言っていた頃である。
・で、難解と言われていた今作にチャレンジした訳であるが、撃沈であった。何が面白いのか、さっぱり分からないのである。
沈黙の中、級友宅から帰宅したモノである。
・あの時から、幾星霜・・。
年齢も、今作を製作した当時のフェリーニ監督よりもやや上になり、ソコソコの人生経験をし、ソコソコの数の映画を観て来たので、少しは分かるだろうという想いと、考察系の映画が、その間で好きになったので鑑賞したのである。
■今作の評価パターンを考えるの巻。
1.サッパリ分からない。⇒健全で、起承転結がしっかりした映画が好きな方が多い気がする。大学時代の私である。
2.今作の本質が分かっていないのに、世間的評価の高さゆえに、”分かった振りをする人”。
⇒今の私である。前半は、相変わらずに良く分からない所もあったが、後半のグイドが再生して行く幻想的とも言えるシーンの数々は面白かったモノである。大学時代は前半でギブアップしていたのだろう。
3.”優れた”映画評論家レベルの方⇒この映画の本質を理解し、前半から楽しめる人である。
⇒25年後の私は、このレベルになるのかなあ。
<今作はフェリーニ監督自身と思われる主人公の映画監督が、スランプに陥る中美女揃いの女優陣、妻と接する中で半生を顧み再生する様を不可思議で幻想的に描いた作品である。
今のところ、フェリーニ監督作の中で一番好きなのは、ヤッパリ「道」なのであるよ、ザンパノー!>
私が最初に観た時はカルディナーレの美しさしか印象に残りませんでしたね。そのカルディナーレも亡くなりましたな。
「道」は「日日是好日」で黒木華の台詞にも出てきたのを覚えています。「小さい時に父親に連れて行かれて解らなかった「道」という映画を最近観たら素晴らしかったのよ」
映画「道」でジェルソミーナの死を知ったザンパーノが海岸で慟哭したように父を亡くした彼女は海岸で号泣するのです。
返信は不要ですよ。

