「最初と終わリ良ければ、間は良く分からずとも、印象は悪くなし」フェリーニの道化師 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
最初と終わリ良ければ、間は良く分からずとも、印象は悪くなし
最初の、少年の家の隣にいきなりサーカス小屋ができてからの種々の演目紹介は秀逸で、その後の期待を煽る。しかしながら、その後のドキュメンタリータッチのエピソードの羅列は、テンポも良く無く、眠気を誘う様なものもあり、フェリーニの意図や趣旨が良く理解出来ないところもあった。
結局、あれ程最初怖く夢中にもなったサーカスの道化師達は、残念ながら今や現実的には絶滅してしまったとの結論づけということか。
それならば、だからこそ、道化師達の素晴らしき乱痴気騒ぎを、夢を創る自分の演出で生き返らせるというのが、最後の方の出し物なのだろうか?実際、静かな葬式から狂乱的お祭りに至り、さらに最後にコンビ2人の道化師がトランペットを吹き、その音が共鳴し、二人の影を残しながら静かに終わるのは最高に痺れた。ニーノ・ロータによる哀愁を覚える音楽の圧倒的な素晴らしさも相まって。
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