フィッシャー・キングのレビュー・感想・評価
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ロビンの笑顔
いつも笑っているような優しい眼差し。
ロビンの笑顔が大好きだった。
悲劇をコメディタッチにしてしまう監督、脚本もすごいと思った。
しかし、いつもふざけているばかりではない。
ぶっ飛んでるホームレス、憧れの彼女を前に恥じらう中年オヤジ、愛妻を亡くしたショックから立ち直れない(逆戻り?)夫。
全てが豹変するあたり、すごい。
ちょっとファンタジーっぽい、ご都合主義的なところもあり、うーん?という感じもあったかな。
仕事帰りの人達が駅構内で踊るシーンと中華レストランのシーンが好きだった。
テリー・ギリアムが「普通の名匠」になってしまった異色の名作
これを、音楽に例えて言うとですね。
前衛的な非音楽的演奏で、観客に音楽への嫌悪を植え付けることに快感を覚えてるんじゃないか?的なピアニストに、「月の光」を弾いてもらったら、はかなく沁みる美しいピアノを弾きやがったよ。
みたいな映画なわけですよ。
ヤバイなぁ。
この地下鉄駅のホールの、コントロールされた「集団行動」のごときシーン。ギリアム?え?テリー・ギリアムやよね、監督って。と、戸惑うしかありませんわ、こりゃ。いやいや、これ、マイフェアレディちゃうか?
中華レストランで気持ちよく自作の歌を歌うロビン・ウィリアムス。カメラは後ろに引いて行きます。フレームの中に入ってくる、レストランのスタッフが一人、二人、三人。えぇ。何?この気の利いた綺麗なフレーム設計。むちゃくちゃ良いです。
いや、違う。これはテリー・ギリアムじゃない。地下のボイラー室とホームレスが集う廃墟以外は、テリー・ギリアムじゃないですw
だって、清潔なんですよ。いや、綺麗なんです。美しいんですもん。芸術的なんですもん。ね?ギリアムじゃないでしょ?
と言いたくなるくらい、普通の映画でした。
本質はダブル・ラブコメ。
ドジっ子眼鏡のリディアに萌え。
アパートまで送っていくパリーに見せるリディアの「女子の姿」に萌え萌え。
完遂していないデートのあと、病院に出入りしているリディアに、更に萌え萌え萌え。
良かった。
とっても。
午前十時の映画祭で。
初鑑賞でした。ギリアムが苦手な方なんでスルーしてましたw
素晴らしかった
公開時に映画館で見て、その前に見た『未来世紀ブラジル』『バロン』みたいなSFやファンタジーを期待していたせいか、すごく地味で退屈に感じた。それ以来、いまひとつのギリアム作品と思っており、今回もこれより他に上映すべき作品があるではないかと思い、スルーしようかとすらしていたのだけど、ギリアム作品がスクリーンで見られる機会も滅多にないことで、足を運んだところ、素晴らしい人間ドラマでハッピーエンドに大感動し涙が出るほどだ。劇場公開時に期待しすぎてハードルを上げたのと、現代ものの人間ドラマで、SFやファンタジー要素がなく物足りなかったことで、きちんと受け止めておらず、愚かだ。
恋人のアンが素晴らしくて、あんないい子になぜ結婚を申し込まないのだとジェフ・ブリッジスに腹立たしくなる。いくらロビン・ウィリアムスがナイスガイだとしてもホームレスだし、頭もおかしくて、そんな彼に好きな子との仲を取り持ったとしても成立せず自己満足ではないかと思う。しかも、その好きな子は相当なおっちょこちょいというか、発達障害みたいなタイプで、付き合いが深くなったらイライラしないだろうか。しかし、そんな負の側面を魅力として受け止めるロビン・ウィリアムスの心が素晴らしい。こっちの心配をよそに、彼女はロビン・ウィリアムスに魅力を感じて病院で看病する。そして、調子がよくなった途端、アンと距離を置きたがるジェフ・ブリッジスにイライラしたと思ったら、いろいろあって愛を告げる。そんなハッピーエンドに大感動で、心が満たされる。
ロビン・ウィリアムスが燃えている騎士の幻覚に怯えたり、挑んだりするのはギリアム作品に共通するテーマだ。
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