劇場公開日 1989年11月11日

「この時期、最もイーストウッドにがっかり」ピンク・キャデラック うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0この時期、最もイーストウッドにがっかり

2023年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

確か『リーサルウェポン2』の同時上映かなんかだったと思うが、2本立てのうちのひとつで、もったいないと思って最後まで見た。劇場で。

とにかくつまんなくて、『ダーティハリー』が大好きだった自分としては、しわくちゃにしぼんでしまったクリント・イーストウッドに、とてもがっかりしたのを覚えている。この数年先には『許されざる者』でアカデミー監督賞に輝くのだから、この時も映画作りに情熱は失っていなかったのだろうとは思うが、おじいちゃんと娘ぐらい年の離れたカップルが、ピンクのキャデラックに乗り、ロードムービーを繰り広げるという設定が、ムリ過ぎた。

今見るとまた違う味なのかもしれないが、何しろそんな気にもなれないし、当時ほどヒマではないのである。ただし、イーストウッド作品では、晩年になればなるほど乾いたヒューマニズムを追求しているので、まだまだこの頃はバタ臭いのである。当時としては、枯れた味わいなんて、想像もしなかったのだ。

うそつきカモメ