「本作の失敗の主因は人気が爆発したマリリン・モンローを主演にして撮らなかったこと」百万長者と結婚する方法 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
本作の失敗の主因は人気が爆発したマリリン・モンローを主演にして撮らなかったこと
マリリン・モンローはあくまで脇役です
ローレン・バコールが主演の映画です
お話はモデルの三人組がお金持ちを捕まえて結婚しよう大作戦の巻というラブコメディ
紳士は金髪がお好きがヒットしたので、その路線でもう一本という企画作品と思われます
ジェーン・ラッセルの代わりに、同系統のクールビューティーのスター女優ローレン・バコールを主演に据えてグレードアップ
マリリン・モンローは紳士は金髪がお好きでのローレライ役が大当たりしたので、その役柄にど近眼の設定を追加して更にコミカルにしています
ついでにもう一人おきゃんなベティ・グレイブルを加えて、男性の観客の女性の好みに全方位対応の布陣です
しかし出来上がった作品は、ジーン・ネグレスコ監督の割には大味で散漫なものになってしまいました
三人のお話がバラバラでまとまりもなく大団円となってしまうのです
マリリン・モンローはコミカルに吉本新喜劇風のギャグをイロイロやらかしますが、大して面白くもありません
彼女の魅力を引き出せているかというと大いに疑問です
監督が大スターのローレン・バコールをプッシュして撮っているところがそもそもの間違いでしょう
折角人気が爆発したマリリン・モンローを主演にして撮るべきだったと思います
それが本作の失敗の主因ではないでしょうか?
とはいえ衣装は無駄に沢山作ってどれも豪華で金が掛かってます
流石にアカデミー賞を獲るくらいです
モンローがキラキラ光るスワロフスキーをあしらった赤い水着を着て登場した時、説明役が「ダイアモンドは女性の親友と言いますが…」と紳士は金髪がお好きの名セリフを引用していますのはクスリとします
それでもモンローを観たい!
それに応えていることが、この映画を観る数少ない意義なのだと思います
冒頭の超大編成のオーケストラの長々とした演奏に続いて、これまた長いタイトルバック
そしてまたエンドにオーケストラ
これは監督の無意味なことを大掛かりにやっているというメッセージなのだと思いました
客が入るからといって中身のない企画映画を撮らされた監督のイヤミだったのだと感じました