劇場公開日 2023年7月28日

「地平線の彼方まで広がるひまわり畑と山いっぱいの墓標」ひまわり(1970) モっさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5地平線の彼方まで広がるひまわり畑と山いっぱいの墓標

2024年12月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

午前10時の映画祭にて鑑賞。

とても悲しい物語でしたが、映像、音楽、役者の演技全てが美しく、名作と呼ぶにふさわしい作品でした。

映像に関しては本編が始まってすぐに画面いっぱいに広がるひまわり畑がとても美しく、この景色を映画館で観ることができて良かったと思った。
また、見えている場面だけでも丘二つを超える数の戦死者を弔う墓標も、戦争の残酷さを見せつけられているようで圧巻させられた。
しかし、物語が進むとひまわり畑も戦争の被害者たちが埋められてできたということが分かり、第一印象が真逆だったひまわり畑も墓標群も見た目が違うだけで出来た経緯が同じだったということにとても衝撃を受けた。
それを踏まえて見ると今作のテーマ曲は冒頭で聴いた時は合わないなと思っていたがエンディングでもう一度流れた時はこの曲が本編の内容も含めてとてもマッチしていると感じた。

個人的に本作はソフィア・ローレンの泣きの演技がとても素晴らしかった。
ロシアで夫のアントが他の女と住んでいることが分かったところから泣きそうになり、子どもまでいることを知って現地の妻の前ではこぼれそうな涙を必死で我慢して離れた瞬間だけ泣きじゃくりながらも顔を洗ってごまかす演技がとてもリアルで痛々しかった。アントと再会しても耐えきれずに逃げ出してしまうシーンやラストのお別れでも演技なのに心から泣いているように感じてしまい自分も泣いてしまいそうになりました。

やはり戦争はあってはならないと再認識させられる映画でした。

モっさん