「あの旋律の切なさがまだ耳に残っている」ひまわり(1970) ターコイズさんの映画レビュー(感想・評価)
あの旋律の切なさがまだ耳に残っている
ウクライナ侵攻に思いを馳せ収益の一部を寄付するということでHDレストア版を公開ってことで名画を映画館で観ることができたけど、やはり複雑な心境。
ひまわりの咲き乱れるウクライナが今もまだ戦乱の地として現在進行系で踏みにじられていることについては、なかなか気持ちの整理をつけることができないでいる。
夥しいひまわりと、夥しい墓標。
なんて哀しい大地なんだろう。
哀しい大地が早く平穏を取り戻せるよう、心から願っています。
鑑賞前は悲恋の認識はあったものの戦争で引き裂かれる悲しい恋の物語ってくらいの知識だったので、よよと泣き崩れる哀れな女性かなくらいに思ってたらなんのなんの。強いイタリア女性ここにありとばかりの、情熱的で激しいソフィア・ローレンが素晴らしい。彼女とアントニオは情熱的に恋をしてそして戦争によって隔たれてしまう。ジョバンナは泣き崩れるままではなく必死で探し回り、そしてアントニオの真実を知る…
歴史と運命が、情熱的な絆を引き裂いたとき、何が人を癒してくれるんだろうか。
過去の、情熱的な恋の記憶?
新しい恋?
癒してくれるのは甘く切ないあの旋律だけなのかもしれない。
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