陽のあたる教室のレビュー・感想・評価
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ホランド先生さようなら
ジョン・F・ケネディ高校の音楽教師ホランド先生の30年の歩みを粛々と描きます。
音楽教師映画ではメリルストリープの「ミュージック・オブ・ハート(1999)」やフランス映画の「コーラス(2004)」が印象に残りますが本作もそれと並ぶ王道の作品でしょう。
実際のジョン・F・ケネディ高校は1972年開校のニューヨークの公立高校で映画では1965年新設となっていますから名前だけ借りたのでしょう。60年代から90年代までの教師生活、ベトナム戦争で教え子が戦死とかジョンレノンの死とか時代を感じるエピソードも豊富ですから、観客の方も懐かしく振り返ったことでしょう。
音楽教師でありながら息子は耳が聞こえないとベートベン張りの運命の皮肉を織り込んでいましたね、ホランドが就任したころの学生の演奏はベートベンの運命の最初の4音さえまともに演奏できない下手さ加減、ホランド先生が偉いのはありがちな精神主義で叱ったりせず課外の個人指導で励ますところですね。後半の上達ぶりは流石です。
まあ、ありがちな教師ものですが安っぽい感動作狙いではなく、音楽や人生の大切さを誠実に積み上げられているなといった好印象は持ちました。
泣ける!
トイズの「恋人たちのコンチェルト」これはバッハが原曲。イオニアンスケール?やる気のない生徒たちでもロックやポップスを取り上げれば興味を持つものだ。開始早々30数分。クラリネットを吹く女生徒があっという間に上手くなって卒業コンサートで演奏。そしてベトナムへの反戦コメントと「イマジン」。ここでもう泣けたぁ。早すぎだけど、そんな映画じゃないもんね。
次の年の問題児ラス(テレンス・ハワード)にはマーチング・バンドのドラムを猛特訓で習得させる。しかし、彼は卒業3年後にベトナム戦争で戦死・・・また涙。そこでトランペットを吹いていた生徒がフォレスト・ウィテカーの弟らしいんだけど、フォレストに酷似~
1980年、息子のコール(ジョン・コルトレーンにちなんで命名)の子育ても中途半端。学校では卒業記念にガーシュウィン・ナイトを企画。そこでロウィーナ(ジーン・ルイーザ・ケリー)という女生徒に歌の才能を見出し、彼女のために作曲、卒業後はNYで歌えとアドバイス。グレンはほのかに恋心を抱き、ロウィーナは「一緒にNYに行きましょう」と彼を誘う。しかし、家庭を選んだグレンは元バンド仲間に連絡を取り、彼女を優しく見送るのだった・・・
その年、ジョン・レノンが凶弾に倒れた。息子コールにこの悲しさはわからないはずだと突っぱねるが、コールは彼なりに音楽を理解しようとしていたことに気づく。そして聾唖者を集めたコンサートでレノンの「Beautiful Boy」を手話付きで歌う・・・歌は下手なりに愛情のこもったものだった。
教師生活30年目。コールは聾唖学校の教師になる。ジョン・F・ケネディ高校は予算削減のため音楽と美術の授業をカットされることを余儀なくされ、最後まで闘ったグレンであったが60歳で引退することになる。グレンのために集まった卒業生たち。壮大なシンフォニーで有終の美を飾るのだ。
クラリネットの少女が州知事になっていたことにも驚き。演奏中にラッパの唾を落とす生徒もいたり、最後は感動。金持ちにはならなかったけど、音楽を教わった生徒というシンフォニーを作り上げた。ロウィーナがかけつけて歌ってくれるかと思ってたけど、ない方が教師の一生を描くためによかったのだろうなぁ。尚、リチャード・ドレイファスがピアノを実際に弾いていると知ってますます感動度が増した。
泣いたー
思い返してみると息子が聴力障害を持っているという以外はそこまで印象に残る内容ではないように思う。
だが、最後は泣いてしまった。ひとりの教員が接した人々の多さや、責任、やりがいに鳥肌が立つほど感動した。
時間があっという間に感じた
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