陽のあたる教室のレビュー・感想・評価
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子供にはわからない
はじめは地味だし
なんだかぱっとしないまま進んでいくようで
そんなにそそられなかったのだが、
すでに終盤から涙で画面が見にくくって仕方無かった。
はたから見れば、さえない中年、あるいはじじいに
すぎないかもしれない彼の人生。
若いころに夢とか理想に燃えていたのに
いつの間にか流されて
自分は何をやっているのだろうと
思ったりも誰だってする。
この映画の主人公も常に迷って、悩んで、
でもその時その時に自身のできる一所懸命を
目の前のことに注いだので
心温まるラストシーンがある。
観ながら自分自身に問いただしてしまう。
なんで自分が?
こういうはずじゃあ?
そうぐだぐだ言ってるのは何かにつけやりきっていないからではないのか?
この映画は10代20代に見ても
受け取り幅がもっと小さかったに違いない。
理解するには自分にもいくぶんかの歴史を必要とする。
取るに足らない人間への讃歌だ。
すばらしい。
しかしあのフレーズを思い出してしまって吹きそうになった。
歌は世につれ、世は歌につれ…浜村淳か??
わかり易いヨイ話
8割いい話の中に2割の悲しい話が混じっていて、バランスがいいです。
意外に大河ドラマでよの時々の大事件の映像が挟まるので、ある高校教師の半生を追いかけたNHKスペシャルのような趣です。
全体にしっとりした喜劇調で落ち着いた雰囲気でしたね。
人生を振り返る歳になって観賞。ぐっとくるものがある。
ある音楽教師の着任から退職まで。
こういう長いスパンのストーリーは、間に「数年が経った」ことを挟みつつエピソードを紡いでいくので、間延びした感じになりやすいのではないかと思う。たぶん作る方も難しいのだろうけど。
時間が経ったことを示すのに、世相を表現するカットが所々に折り込まれているのはよかった。
ホランド先生を慕うロウィーナを演じたジーン・ルイーザ・ケリーはすごく魅力的だった。
まあ私が年齢的にホランド先生に感情移入したぶんよけいに魅力的に感じたのだろうとは思うけれど(若い娘にモテたい)、残念ながら彼女はその後は作品に恵まれていないみたいだ。
芸術の授業の予算がカットされたことに腹を立て、ホランド先生が教育委員会に噛みつくシーンが好きだ。1995年の作品だが、今の教育行政にも聞かせたい台詞がいちいち胸に染みる。
あと、やはり映画と音楽は親和性が非常に高いことを確信。
ヒット作『ボヘミアン・ラプソディ』や、ディズニーの『シング』、日本映画の『くちびるに歌を』とか、2009年のフランス映画『オーケストラ!』とかね。
妄想映画
現実の教師は上司、部下などの人間関係が無く、無抵抗の子供をいたぶるために就職するのです。
だから、教師は社会不適合で人格破綻者が多いことは皆さんの経験でわかると思います。
理想は理想、現実は現実、現実から目を背けてはいけません。
例外的にいい教師は数割は存在することを否定するものではありません、念のため。
1人の人間として
何をもって人生は成功したといえるのか?
富や名声を得たからなのか?
それ以上のものがあると感じさせてくれた映画。
ひとりひとりの生徒と向きあって、家族と向きあって、その側にはいつも音楽があって。
ホーランド先生の様な人に出会っていたら、私の人生も変わっていたのかなぁ。
誰かのためになっていると信じることができる仕事をしていきたい。
いい先生の温かい話、かな。
音楽の先生が就任してから退職するまでの話なのだが、正直最初の1時間はもう少しうまくまとめてほしかった。
”こんな良いことやあんな良いことをしました”的な話が中途半端。
後半、本当の家族愛に目覚めたあたりからは感動的に描かれて面白いのだが、最後の演奏シーンで今までの思い出を演出したかったのだろうが、どうもまとまりきらない。
おまけに、エピソードごとに数年が経過するため、生徒たちも次々に変わり、すごく淡白に感じてしまった。
決して悪い映画ではない。
むしろ、白々しいストーリーにもかかわらず、楽しくもあり感動的であることは称賛できる。
ちょっといい話、といった感じで好感は持てる。
しかし、それ以上のものがない。
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