ヒドゥン(1988)のレビュー・感想・評価
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0271 君と一心同体になるのだ。フッフッフッフッ
1988年公開
「ツインピークス」のカイル・マクラクランが
FBI捜査官に文字通り扮し地球皆殺しを狙う
凶悪宇宙人を追う。けれど見た目はナメゴン。
しかし宇宙人は人間に乗り移るいわゆる
隠れる(ヒドゥン)ため容疑者は20億人(原作発表時)。
特徴はスポーツカー好きで大音量音楽好き
ってそんな宇宙人ってなんやねん?
乗り移られたストリッパーが銃を乱射するところもイイ。
その前に女ってこうなんや、という戸惑いもよい。
なかなか最後までハラハラする展開で面白い。
本作をテレビで奥さんと一緒に見てから
その「ヒドゥン」という語感にハマり
長く家庭内に浸透しました。
70点
テレビ初鑑賞 1990年4月22日『日曜洋画劇場』
衝撃のラストが尾を引くSFアクション刑事(デカ)バディもの!
後に「ツイン・ピークス」のクーパー捜査官を演じるカイル・マクラクランが謎めいたFBI捜査官を好演し、相棒となる所轄刑事を演じるマイケル・ヌーリーは「フラッシュダンス」で主人公の恋人で製鉄所社長だった彼です。
ひと昔(もう、さん昔ぐらい前か?)のテレビでは頻繁に放映されていたこの映画。
遊星からの物体X(82年)、ブレードランナー(82年)、ターミネーター(84年)等々80年代のヒット作のエッセンスをふんだんに盛り込んでいますが、必要なところだけサクッと拾い上げてテンポのいい作品に仕上げています。とにかくオープニングから惜しげもなくカーチェイスと銃撃戦を見せてくれ、掴みはバッチリです。
走っていくうちに衝突を繰り返しボロボロになる車と危険スタント、そして仕上げの爆発炎上。
この時代の映画って爆発シーンは引きのアングルなんですよね。本当に爆発させるからカメラやフィルムが焼かれちゃいけないんで距離を取ったアングルで撮影されます。もうね、それが最高なんですよ。
CGを使えば危険もなく、もっと自由なアングルで迫力ある映像を撮れるのは分かっています。分かっていますが、心のどこかでまたCGか・・・と冷めている自分がいるのです。
愚かな消費主義のなれの果て的な感覚なのでしょうが、今となってはこの引きのアングルでの爆発炎上を見ると、映画という作り物の中に確かな本物を見る思いがして堪らないのです!
まぁそれはいいとして、人に寄生するエイリアンはとにかくアグレッシブなロックとフェラーリが大好きで、レコード店でカセットテープを強奪し、盗んだフェラーリのカーステレオでガンガンにかけながら街を流し、車を降りてもラジカセで音楽を楽しむ程です。
押し入った家にあったレコードプレイヤーを掛けみてカントリーが流れると、プレイヤーを床に叩き付けて壊すほど偏執的な好みをしています。
しかもそれを善良なオッサンに寄生してやっているので、絵面は中々アレな感じになっているのがいい味出しています。
そして捜査の手が間近に迫ると、宿主を次々に変え追跡をかわします。時には女性や犬にも寄生し、色々なシチュエーションを楽しませてくれるのです。
ただ追手の刑事の上司や同僚に寄生した際に、寄生された上司や同僚を銃で撃ちまくる刑事たちの迷いのなさには唖然とします。
ゾンビ物だったら、確かに違う存在になってしまったけれど、ついさっきまで友人だったり恋人だった人になかなか銃を撃てない悲哀ってありますよね?ところがこの作品にはそんな躊躇い一切ありません!!映画を見る限り上司も同僚も嫌われているような感じはなかったので余計に悲しいです!
でもそういう明らかなツッコミどころが散見されながらもスイスイ見られてしまうのはテンポの良さはもちろん、ベタではあるけれども主演二人のコンビが互いのやり方や考え方の違いはありながらも一緒に犯人を追ううちに友情が芽生えていく様が魅力的に描けているからではないでしょうか?
ラストはそんなことしてしまってこの後どうするんだよ?ってオチが待っていますが、それがまたこの作品の評価を一つ上に押し上げている要因だと思います。
日本人的にはどことなくウルトラマンに設定が似ているのもポイントが高いこの作品。名作です。
ヒトの身体を乗っ取る《エイリアン》
1998年(アメリカ)
凶悪犯を追っかける刑事物のスタイルに、異星人をプラスした
とても楽しいエンタメ作品。
銃撃されて瀕死の状態から、近づいてきた人間に、直ぐに乗り換わってしまう。
カーチェイスもお手のもの。
真っ赤なフェラーリとか、パトカーとの追いかけっこが派手で楽しい。
主役の2人。
ロス市警のトム・ベック刑事(マイケル・ヌーリー)
FBI捜査官のカイル・マクラクラン。
2人のバディモノの刑事ドラマとしても見られる。
ただし人に寄生するエイリアンが凶暴で不死身。
次々と宿主を変えて、警察はてんてこまいさせられる。
唯一の寄生される女性。
ストリッパー役のクローディア・クリスチャンが、実に魅力的。
凄いナイスバディで胸なんか山盛りです。
目の保養になりました。
「ツインピークス」でFBI捜査官になる直前のカイル・マクラクラン。
この作品のFBI捜査官を見て、デビッド・リンチがキャスティングしたらしい。
テンポも早く、ラストも良くて、なかなかの娯楽作品でした。
ハードロックとフェラーリ
小学生の頃には頻繁にTVで放映されていた記憶が、今回しっかりと観た結果、断片的に覚えている場面もチラホラと。
物語は単純でもあるがそんな単純にアクション映画の類にはならない方向性で、ラストはある意味エグい乗っ取りが達成的な、無駄に思えたりクダらないシーンなどは見当たらないシンプルさ。
カイル・マクラクランのハマり具合と、ダニー・トレホが囚人役で無駄死にと、役者陣も皆が良い感じ。
B級SFアクションの鑑
人間に寄生して凶悪犯罪を繰り返す悪玉エイリアンを、LA市警の刑事とFBI捜査官に化けた善玉エイリアンが追う。
1987年のSFアクション。
SFではあるが、タッチは80年代のバディ・アクション。
アクション・シーンをふんだんに盛り込み、少々のグロありセクシーありの娯楽快作。
マイケル・ヌーリーとカイル・マクラクランのバディがいい。
最初は噛み合わないが、次第に協力し合う様は、「48時間」や「リーサル・ウェポン」を見ているよう。
特にマクラクランは、異星人ならではのカルチャー・ギャップやポーカーフェイスが面白い。
次から次へ人に寄生する悪玉エイリアンが、一貫してハードロックと高級車好きという設定がユニーク。
○にも寄生して、「遊星からの物体X」へのオマージュ?
チープ臭はうっすら漂うが、エイリアンの造形・特撮もなかなか。
欲を言えばもう少しユーモアがあったら良かったが、面白さは上々。
B級SFアクションの鑑。
「勧善懲悪に見えるが、その実は
差別映画」
公開当時映画館で観た時はよくある勧善懲悪映画だと思っていたが、久し振りに見返すと、「敵の正体はグロくて正義の味方は金色の光線/発光体」「演じる俳優も敵はキモ系俳優で不潔な演出、正義は当時売り出し中俳優カイル・マクラクラン」「実際のところマクラクランの星が敵の星に攻め込んだのかもしんないし」「最後はハッピーエンドに見せかけてるが、体良く刑事の体を乗っ取って地球人になりすまし続けるのかよ」
…といった突っ込みが至る所に散在。敵がフェラーリばかり狙ってるのも寧ろ好感が持てるし。
約20年振りに見たら敵側の立場で考えてしまった。
最高だ
随分久しぶりに吹替え版で見たのだが、やっぱり超面白い。宇宙人に肉体を奪われた人間は人間と言えるのかという問いかけもあり、胸にしみる映画でもあった。
フェラーリをベコベコにして最後爆発炎上させる景気のよさもよかった。
しかし宇宙人は一体どんな目的で地球に現れたのであろう。単に逃亡していただけなのかもしれないが「一緒に征服しようぜ」と誘う場面もあったし、そもそもスーパーカーとヘビメタが好きという下世話な存在なのかもしれない。
カイルマクラクランが、幼女に変な目線を向けるところはちょっと心配だった。
「遊星からの物体X」 VS 「ヒドゥン」
これは、今観てもとても面白い映画。「ボディ・スナッチャー」というSF映画もあったが、人間の身体を乗っ取り寄生するタイプのエイリアンの話し。
見た目は普通の人間、でも中身はエイリアン。「遊星からの物体X」は南極観測隊の基地に一匹の犬が入り込むところから始まるが、この「ヒドゥン」はロスの街をロックを大音量で鳴らしながら爆走するクルマから始まる。
見た目は普通の男だがエイリアンだ。肉体が死んでも次の人間に乗り移れば良いから暴走する恐怖がコイツには無い。めちゃくちゃな運転をする車を見たロス市警の刑事との激しいカーチェイスのはて大破してクルマは止まる。病院に運ばれた重症の男はやがて死ぬが、その前に同室にいた他の男に乗り移り男は病院から去る。調べる刑事は普通の男だったと云う証言しか得られず何故あのような暴走をしたのか分からず悩む。そんな時FBI捜査官が事件に入ってくる。彼も実は中身はエイリアン。残虐なエイリアンを追って他の星から来ている。こうして二人は凶悪なエイリアンを追って行くが・・・。
こういったストーリーだがテンポの良い演出と監督のセンスの良さで不気味なエイリアンがうまく描かれており見応えのある作品だ。
リメイク流行の昨今だが、こういった作品を今の映像技術で作れば面白さが倍増すると思う物語である。
なお、別のスタッフでヒドゥン2が作られているが、こちらは設定をそのまま使っているが別の話で関連性は余り無い。
とにかく観ていない人にはおススメの作品。ジョン・カーペンターの傑作「遊星からの物体X」と遜色ない面白さと思う。
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