「鏡に映る野獣の苦悩と壊れた鏡が示す野獣の危篤」美女と野獣(1946) Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
鏡に映る野獣の苦悩と壊れた鏡が示す野獣の危篤
お城、食卓、ベッド、鏡、ドレスと造形が何とも魅力的、話の流れも飽きさせない。そう、鏡の中の顔や動物、割れた鏡、屋根から見える財宝、ベッドの上の寝具等が話の展開に結びつき、印象に残る。
ただ、流石に70年以上前ということで、野獣顔はちゃちい感じで、個人的好みかもしれないが美女があまり綺麗に思えない。
野獣が財宝に目が眩んで射抜かれたジャンマレーの顔になるのは、驚くべき展開だが、すっきりしない展開。射抜かれたジャンマレーが野獣になり、まるで入れ替わった様。外見の美と心の美が合わさってめでたしめでたしということなのか。ただ、見てる方はこの顔はチンピラと印象づけられてるので、複雑な気持ちになってしまう。
とは言え、こんな細部の造形にこだわり、個性的でユニークな映画を作るジャンコクトー監督には、大いなる魅力を感じた。
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