「今回のリバイバルはディレクターズカット版107分で、初公開時116...」ピクニック at ハンギング・ロック りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
今回のリバイバルはディレクターズカット版107分で、初公開時116...
今回のリバイバルはディレクターズカット版107分で、初公開時116分よりも短くなっています。
どこがカットされたのかは残念ながら憶えていません。
19世紀末の1900年、バレンタインデーの2月24日。
オーストラリアの女子寄宿学校では馬車でピクニックに出かけることになっていた。
出かけた先はハンギング・ロックと呼ばれる岩山で、100万年ほど前に隆起してできた場所だ。
十人ほどの生徒たちはおそろいの白いドレス。
付き添いの先生はふたり、それに御者がひとり。
食事を終えた昼下がり、生徒4人がさらに上への散策を申し出て・・・
ピクニックを終えて夕方には学校へ戻るはずがなかなか戻らず、夜十時近くになって戻ってくる。
が、散策に出かけた4人は姿を消し、さらに彼女らを探しに行った年配の女教師も戻ってこなかった・・・
といったところからはじまる物語。
捜索隊も組織されるが、だれも発見されず。
途中、4人の生徒を見たというふたりの青年の証言はあったものの手がかりにすらならない。
その後、数日して女性と一人が発見されるが、彼女の証言では、年配の女教師は下着姿で上へ登っていくのとすれ違ったが、どちらの方向へ行ったかは憶えていない、と。
と、実際に起こった事件なのだが、未解決。
まるで神隠しにあったかのようなのだ。
この女生徒消失事件と並行して描かれるのが、教育費未納によりピクニック行きを禁じられた女生徒と校長のやり取りが描かれるが、学校の経営がかなり厳しい。
残された女生徒は孤児院の出身。
目撃者の青年のひとりとは兄弟・・・
と、2時間サスペンスだと、事件解決の足掛かりとなりそうな状況なのだが、それも足掛かりとならない。
この未解決事件を、美しい映像と美しい音楽で淡々と描いていくピーター・ウィアー監督の演出手腕は素晴らしい。
遠景のショットと、動物たちの近影の絶妙なバランス。
編集のリズムと相まって、美しいが不穏でストレスフルに感じられます。
初見時には、それほどとは思わなかったのは、こちらが若かったせいか。
名作と呼ぶにふさわしい作品でした。