「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」ハード・デイズ・ナイト いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
ヤァ!ヤァ!ヤァ!
まぁ、とにかく四人が若い。若いを通り越して“幼い”。こういう作りのアイドル映画を作るのは、流石モンティ・パイソンのお国柄だなと思うけど、ドタバタ劇と唐突の楽曲のインサート、そしてストーリーの薄弱さと、トチ狂ったグルーピーのカット。もう何が何やら、理解を超えた演出だが、それ位ビートルズという一つの“現象”が世界を狂わせていたのだろうというザックリとした想像位は見当が付く。一応、演技もあるのだろうが、あれだけ仲の良い悪ガキ四人組がハチャメチャやってるのは、まるで赤塚不二夫の『おそ松くん』に近い印象を受けたのは、表面的かな? でもルーフトップ・コンサートでの情熱と冷静を比べてしまうと、今作の微笑ましいことだ。
白黒とはいえ修復した映像は大変クリアで、四人のゴリラみたいな上下運動とか、天才的な楽曲と演奏はたっぷりと堪能できた。
初期の元気でオバカな頃のビートルズ楽曲が、それでもしっかりロックンロールだったとしみじみ酔いしれた作品である。
PS:後から思ったのだが、今作品のプロットや脚本、その前段階の企画そのものがビートルズ側にどれだけ意向として含まれているのか不明だが、警官=権力や、マスコミ、はたまた歌を聴かずに奇声ばかり立てるファンなのか何なのかよく分らない少年少女等、そういった或る意味敵対意識を含む対象物に対しての揶揄や皮肉、からかいみたいなものをギャグ要素として織込んでいるイギリス的なセンスの良さをキチンと落とし込み、それを難なくこなす四人の天才性に気付いてしまったのだが、何で急に気付いたのだろう?w 喜劇役者としての四人の演技力の意外な高さに、やはり高レベルのポテンシャルの片鱗は何処を開いても分るモノなのだなぁと感慨に耽ることしきり…