「肌感覚ではわからない」ハワーズ・エンド こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
肌感覚ではわからない
登場人物たちが生き生きとしていて、それぞれの
信条での行動は揺るがなく
多少の設定が変わればどこの世界にも起きそうなようにも思える。
ハワーズ・エンドという邸宅をめぐって
階級の異なる二家族が
妙な縁に振り回されつつ理解し合えるのか、
そんな主題。
気持ちとしては好きと思っても結婚となれば
価値観の違いというものはより如実になる。
そこをわかってくれる人に家を受け継いでほしいと
いう気持ちはわからいでもない。
しかし前述したように価値観の違い、だけではなく
イギリスなのでそこには純然たる階級の違いも
存在している。
実業一家は階級的にはそれほど高くはなく、
実利ばかりで教養も足りてないという
認識があるのだろうと思う。
知的階級のマーガレットたちはむしろ
そういったことでの差別はいけないことだと
理想主義として教育されている。からこその
貧乏青年とも恋に落ちる。
行動の基盤がそこにあるんだろうというのは
頭ではわかるのだけれど
そんな階級世界をよくわかっていないので、
イギリスやヨーロッパの人たちがこの作品を観て、
肌感覚で「わかる」ところが
おそらく自分には理解できてないのではないだろうか。
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