劇場公開日 1994年10月8日

「ゴーマンかまさせて頂きましょう」パルプ・フィクション KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 ゴーマンかまさせて頂きましょう

2025年12月12日
PCから投稿

この映画を見て、「用心棒」のようだと思った人は、私と同じぐらい映画を見る目が高い。
どこが似てるか?
両方ともストーリーがないような物語だ。用心棒はとても面白い。それはストーリー全体が良く出来てるからではない。いっこいっこのエピソードが面白いからだ。ストーリー全体ではちゃらんぽらんの行き当たりばったり。でもエピソード一つ一つが面白ければ面白い。黒澤明は「用心棒」でそれを証明した。そしてこの゜パルプフィクション」も同じ意味で成功している。
更に「パルプフィクション」には用心棒に無い着目すべきシナリオ要素がもう一つある。
それは人物の多さ。人物が多くて、名前と人間関係を覚えなきゃいけなくて混乱するんですよ。混乱しないようにするために集中しなきゃいけない。物語が全然始まってなく、面白くないのに、こちらは集中を強いられるのである。それによって映画が面白いように脳が錯覚するのだ。それと同じことは、「仁義なき戦い」についても言える。あの映画もそうだった。いってみれば、それらのやり方をパクったわけであるが、パクったというよりも学んでうまく使ったという方が適切であろう。多分、黒澤も深作もそれを意図して技術的に使ったわけではなかろうから。

・・この映画が公開された直後、職場で「タランティーノは天才だ」というと、私は映画を見る目がないと言って馬鹿にされた。下手すると変人扱いされた。いまでは誰もがタランティーノは天才だと言っている。ざまをみろ。

KIDOLOHKEN
PR U-NEXTで本編を観る