「あなたが信じるのは"偶然"か"必然"か?!」パルプ・フィクション ネイモアさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたが信じるのは"偶然"か"必然"か?!
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本作は"ラッキーとしか言いようのない出来事"が各人物の元に起きる。それは本当に"幸運"だったのか、それとも"奇跡"だったのか?
ここでの"幸運"とはいわば"偶然"のことで、人が主体的に起こした行動の末訪れるものだ。一方"奇跡"は"必然"と同じ。これにおいて"ラッキーな出来事"は、神がすでに決めた人生を人が歩んでいるに過ぎないゆえ、その過程で人間が何をしようが必ず起こるのだ。
本作は"幸運"を信じるヴィンセントと、"奇跡"を信じ神を深く信仰するジュールスが"ラッキーな出来事"をめぐって口論を度々繰り返す。
そうして終盤、"奇跡"を信じないヴィンセントの"幸運"はいよいよ尽きてしまい、暗殺のターゲットと"不運な"出くわし方をしてマシンガンで蜂の巣にされてしまう。
結論から言ってしまえば、私は"幸運"も"奇跡"も両方が起きていると思う。私達人間は、時間的にも空間的にも有限だから、現世の外、つまりは神や神の世界の存在の確認などしようもない。ただ、"奇跡"は信じるものの元にしか訪れないのだろう。神を信じない者の世界に神は存在するはずがなく、"幸運"が尽きた時、救いの手を差し伸べる神も奇跡も存在しないのだ。だからヴィンセントの"幸運"はいよいよ尽き、命を落としてしまったのだろう。
この映画は実にシンプル!くだらない出来事で困って、思ってもみなかったラッキーな出来事が起こってその場を切り抜ける。そんなどこかくだらなくて、登場人物もギャングや殺人犯というバイオレンスさもあるのにどこか笑えちゃう、そんなタランティーノ節に拍手!!
さあ、あなたは"幸運"と"奇跡"、"偶然"と"必然"どちらを信じますか???
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