劇場公開日 2021年10月15日

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「【善性溢れる、品の良い1930年製作のコミカルラブファンタジー映画。モノクロ映像と音楽のバランスも良い。】」巴里の屋根の下 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【善性溢れる、品の良い1930年製作のコミカルラブファンタジー映画。モノクロ映像と音楽のバランスも良い。】

2021年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

ー ”ルネ・クレール”レトロスペクティブが、伏見ミリオン座で10月から始まるというので、一足早く今作を鑑賞。ー

◆感想
 ・ストーリーはシンプル。路上で楽譜を売る男、アルベール(ソンナ、そんな商売があったんだ・・)は、集まってきた人々の中の口元の黒子が印象的な美しき女性ポーラに気付き、彼女をスリから助ける。
 ポーラにまとわりつく、フレドに鍵を盗られたポーラはアルベールの部屋に泊めさせてもらうことになるが・・。
 ー 二人が、お互いにベッドを譲り合い、翌朝ちゃっかりとポーラがベッドの上で寝ていたり(優しいアルベールがベッドに寝かせてあげたのかな?)、知人のドロボーから預かった荷物のためにアルベールが警察に捕まっちゃったり、ショックを受けたポーラをアルベールの友達、ルイが慰めているうちに・・。ー

 ・恋敵、アルベールとフレドの路上での決闘シーンで流れる蒸気機関車の汽笛の音の効果的な事や、当時の男性の殆んどがハンチング帽を被っていたり、時折映し出される石畳が、何だかセンス良く感じたり・・。

<愛した娘を、友人ルイに取られちゃったけれど、翌朝、明るい顔で、再び楽譜を売るアルベールの姿。
 善性溢れる、高潔な映画。
 ”ルネ・クレール”の作品を少しづつ鑑賞して行こうと思わせてくれたほど、鑑賞後の気分が良い映画でもある。
 劇中流れる数々の音楽も良いね。>

NOBU