「【善性溢れる、品の良い1930年製作のコミカルラブファンタジー映画。モノクロ映像と音楽のバランスも良い。】」巴里の屋根の下 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【善性溢れる、品の良い1930年製作のコミカルラブファンタジー映画。モノクロ映像と音楽のバランスも良い。】
ー ”ルネ・クレール”レトロスペクティブが、伏見ミリオン座で10月から始まるというので、一足早く今作を鑑賞。ー
◆感想
・ストーリーはシンプル。路上で楽譜を売る男、アルベール(ソンナ、そんな商売があったんだ・・)は、集まってきた人々の中の口元の黒子が印象的な美しき女性ポーラに気付き、彼女をスリから助ける。
ポーラにまとわりつく、フレドに鍵を盗られたポーラはアルベールの部屋に泊めさせてもらうことになるが・・。
ー 二人が、お互いにベッドを譲り合い、翌朝ちゃっかりとポーラがベッドの上で寝ていたり(優しいアルベールがベッドに寝かせてあげたのかな?)、知人のドロボーから預かった荷物のためにアルベールが警察に捕まっちゃったり、ショックを受けたポーラをアルベールの友達、ルイが慰めているうちに・・。ー
・恋敵、アルベールとフレドの路上での決闘シーンで流れる蒸気機関車の汽笛の音の効果的な事や、当時の男性の殆んどがハンチング帽を被っていたり、時折映し出される石畳が、何だかセンス良く感じたり・・。
<愛した娘を、友人ルイに取られちゃったけれど、翌朝、明るい顔で、再び楽譜を売るアルベールの姿。
善性溢れる、高潔な映画。
”ルネ・クレール”の作品を少しづつ鑑賞して行こうと思わせてくれたほど、鑑賞後の気分が良い映画でもある。
劇中流れる数々の音楽も良いね。>
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