巴里の女性

劇場公開日:2022年11月3日

巴里の女性

解説・あらすじ

喜劇王チャールズ・チャップリンが初めて手がけたシリアスドラマ。チャップリンは主演を務めず監督・脚本・製作・作曲と裏方に徹し、すれ違う男女の心の機微を光と影の映像美で描き出した。

フランスの田舎町で暮らすマリーは、恋人ジャンとパリへ駆け落ちすることを決める。しかし約束の夜、ジャンは父親が急逝したため駅へ行くことができず、失意のマリーはひとり、パリ行きの列車に乗る。1年後、マリーは富豪ピエールの愛人として贅沢な暮らしを送っていた。ある日、彼女はパリに来ていたジャンと偶然の再会を果たす。

「キッド」のエドナ・パービアンスがマリー役で初主演を務め、「犯罪都市」のアドルフ・マンジューが富豪ピエールを演じた。

1923年製作/81分/アメリカ
原題または英題:A Woman of Paris: A Drama of Fate
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2022年11月3日

その他の公開日:1924年(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

  • 画像1

(C)Roy Export SAS

映画レビュー

3.5 二重三重の運命のすれ違い、喜劇王が放つシリアスドラマ

2025年12月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

チャップリンの中長編で唯一見逃していたラストピースをようやく観ることができました。

内容的には結構ドロドロした男女の愛憎劇ですが、人の心奥の洞察も鋭く、マリー、ジャン、ジャンの母それぞれの人間的弱さを見事に捉えています。

極めつけは富豪ピエールの人物造形。貴族出身なのかブルジョワなのか、ガツガツせず余裕しゃくしゃくなのですが、女性蔑視や貧乏人への差別意識が透けて見えます。マリーがネックレスを取り戻すくだりの笑い方のいやらしさ。演じるアドルフ・マンジューの神レベルの演技が素晴らしすぎます!

そしてやはりラスト。もはや永遠に交わることないすれ違いのシーケンス。まさに芸術映画のラストシーンそのものです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
sugar bread

4.5 心の内面を解き明かす演出に挑戦したチャップリンのエドナ・パーヴァイアンス讃のシリアス・メロドラマ

2025年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

驚く

斬新

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 2件)
共感した! 6件)
Gustav

5.0 タイトルなし(ネタバレ)

2025年9月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 5件)
チネチッタ

3.0 チャップリンの発展途上的作品ながらも、最終的に「ライムライト」という感動作を…

2024年11月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

未鑑賞のサイレント時代の
チャップリン作品だったが、
日本映画が対象となっていなかった
1924年第1回のキネマ旬報ベストテンでは、
“芸術的に最も優れた映画”部門で
堂々の第1位だった作品。

しかし、専門家には賞賛されたものの、
チャップリンらしからぬ作品として、
興行的には失敗したシリアス劇であると
ネットの解説にあった。

この作品、贅沢な愛人生活よりも、
人の想いを知っての
“巴里郊外の女性”
となった主人公には
流石にジーンと来るものがあった。

しかし、全体的には不満が残る。

レストランのバックヤードでのエピソードや
上流社会の乱痴気パーティ等に
時間を割く割には、
主人公が富豪の愛人になる経緯や、
画家の男性の
交際に反対していた母親を連れてのパリ登場
などが唐突過ぎてはいないだろうか?
また、レストランのシーンで
意味ありげに登場する富豪の女性やその息子
はそれっきりだったが、あの意味は?
そして、間違いにしては
あからさまに偶然過ぎる2人の再会、
更には、画家の男性が
いきなり拳銃を持ち出すという
これも唐突過ぎる設定、
等々のまとまりに欠けた作品と
言わざるを得ない印象を受ける。

敬愛するチャップリンの
初期サイレント作品ではあるが、
まだまだ発展途上的作品には感じた。

しかし、
その後のチャップリン映画は名作揃いで、
最終的に彼は、
我が生涯におけるベスト10映画の一つ
「ライムライト」という感動作をも
私に届けてくれたのだった。

コメントする 1件)
共感した! 4件)
KENZO一級建築士事務所

他のユーザーは「巴里の女性」以外にこんな作品をCheck-inしています。