劇場公開日 2013年9月28日

「見どころたっぷり」パリの恋人 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0見どころたっぷり

2021年8月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

本屋の娘の
仕事、夢、向学心、恋心、ダンスに涙、そしてオオカミの魔の手・・

NYとパリの街並みを写しつつ、働く女たちがたくさん出てくるのもひとつの見所でした。

彗星のごとく現れたオードリーに、映画界が夢中になっています。今しか撮れないオードリー旋風に製作者たち・関係者たち自身が巻き込まれているのが、ありありと感じられるのです。

オードリー・ヘップバーンの初期作品は、ちょっと不釣り合いな歳の差カップルが続きますよね。あれは何とも不自然ではあるのですが、
実は監督やキャメラマンやジバンシィ、そしてパラマウントの社長までも、恐らくきっと、世界中のおじさまたちが❮オードリーと一緒に踊ってキスをしたい❯、でも❮手が届かない❯・・、そんな幻想を持って彼女を見つめたのでしょうね?(笑)
さしずめ「我が娘にしたい女優ナンバーワン」といった感じかな。

でもただの可愛い子ちゃんアイドルではなかった彼女、
ナチス占領下のオランダで、アンネ・フランクと同じ時を生き、敵国人=英国籍であることを隠すために改名した過去を有し、
また5歳から始めていたバレエの修行のためには渡英もしている。

劇中、書店での 世を見据えた物言いと眼力(めぢから)の強さ、カフェで飛び出した見事なダンス。
強靭な生い立ちと下地を持っているから、素人っぽさを演じていても、魅力が溢れる。

フレッド・アステアもケイ・トンプソンも、負けじと芸人魂を発揮。あれだけ踊って息を切らさないとは!

・・・・・・・・・・・・

【おまけ】
(morihideさんへのコメントにも書きましたが、)
ルーブルの「サモトラケのニケ」は死ぬまでに必す見に行くべき。僕は確信して疑わないが、美術館はあのビーナスの配置を核にして存在している。

奈良に行けば、江戸時代、「弥次さん喜多さんが大仏殿で大騒ぎをしたエピソード」を思い出すように、パリのルーブルでニケのビーナスに対面すれば、2200年前のビーナスを仰ぐあの大階段を、60年前には「オードリーが赤いオーガンジーをひるがえして降りくだったシーン」も僕たちは思い出して、胸が踊るはず。

ファッション雑誌の編集がストーリーの土台となっている本作品だが、「映画」は、文化とその時代の空気の記録媒体としても、とても大切な働きをしている。

きりん
kazzさんのコメント
2021年8月29日

きりんさん、コメントありがとうございます。
やっぱり、歳の差は気になりますよねぇ。
昔は観客を呼べる男性スターに若造が少なかったからなんですよね。
『シャレード』では、ケーリー・グラントが歳の差がありすぎるのを気にしたため、脚本が少し変更されたという逸話もあります。

kazz
kossyさんのコメント
2021年8月29日

きりんさん、いかがお過ごしですか?
オリパラの記念硬貨・・・そんなのあったんですね!
貨幣価値は同じでも、買取額が激安になったりして・・・

kossy
きりんさんのコメント
2021年8月29日

出演作としては最後となった「オールウェイズ」も観てみたくなりました。

きりん