薔薇の素顔
劇場公開日:1994年11月12日
解説
猟奇連続殺人事件の中に、多重人格、パラノイア、バイ・セクシャル、性的倒錯などのショッキングなテーマを散りばめて描いたサイコ・ミステリー。主演2人の演じるエロティック描写の過激さに、全米配給元であるディズニー傘下のハリウッド・ピクチャーズがクレームをつけ、公開を延期して編集したが、アメリカの映倫MPAAの審査で〈NC‐17〉(17歳以下は親の同伴があっても鑑賞できない、成人映画のX指定に次ぐ限定公開)指定に。フィルムの盗難騒ぎまで起き、大幅に再編集した結果、R指定(日本より厳しく、17歳以下は成人同伴でのみ鑑賞可能)で公開された。日本やヨーロッパで公開されたのは、〈NC‐17〉指定のバージョンである。監督は「スタントマン(1980)」以来、14年ぶりにメガホンをとるリチャード・ラッシュ。ビリー・レイの原案を、彼と「隣人」のマシュー・チャップマンが共同で脚色。製作はバズ・フェイシャンズとデイヴィッド・マタロン。エグゼクティヴ・プロデューサーは「トゥームストーン」のアドリュー・G・ヴァーニャで、彼の主宰するシナージ・プロ作品。撮影は「美しき獲物」のディートリッヒ・ローマン。音楽はドミニク・フロンティア、美術はジェームズ・L・ショップが担当。主演は「パルプ・フィクション」のブルース・ウィリス、「愛人 ラマン」に次いで2作目のジェーン・マーチ。共演は「メル・ブルックス 逆転人生」のレスリー・アン・ウォーレンほか。
1994年製作/121分/アメリカ
原題または英題:Color of Night
配給:東宝東和
劇場公開日:1994年11月12日
ストーリー
ニューヨークの精神分析医キャパ(ブルース・ウィリス)は、女性患者が彼のオフィスがある高層ビルから飛び下り自殺し、血の海に横たわる死体を見て以来、赤い色に拒絶反応を覚えてしまう。ショックから癒えぬ彼は、ロサンゼルスに住む同じ分析医のボブ(スコット・バクラ)を訪れる。彼はセラピー・グループの患者たちを紹介した。情緒不安定な女性サンドラ(レスリー・アン・ウォーレン)、潔癖症の弁護士クラーク(ブラッド・ダリフ)、被害妄想気味のケイシー(ケヴィン・J・オコナー)、妻子を殺された衝撃から立ち直れないバック(ランス・ヘンリクセン)、自閉症の少年リッチーの5人で、ボブはこの中の誰かに命を狙われていると告げる。数日後、その言葉通りに彼は何者かに惨殺された。同じ頃、キャパはローズ(ジェーン・マーチ)という少女と出会い、その謎めいた美しさにひかれる。一方、患者たちの願いで、彼は5人の治療を引き継ぐことに。事件を追うキャパの周囲には、姿なき殺人者の警告が発せられる。患者たちはそれぞれ秘密を隠しているようで、混乱するキャパはますますローズの怪しい魅力の虜になっていく。そしてまたもや、ケイシーが惨殺死体で発見された。キャパはボブのカルテから、ローズが多重人格者であり、全くの別人として患者全員と関係を持っていたことを知る。さらにリッチーとローズが同一人物である事が発覚。真犯人は彼女と近親相姦関係にあった兄デイル(アンドリュー・ロワリー)で、彼女と関係を持つ人々に嫉妬したゆえの犯行であった。彼は幼児期の性的虐待から近親同性愛者となり、ローズを男として愛したかったデイルは、彼女をリッチーという人格に仕立てていた。ローズは絶体絶命のキャパを救おうとして兄を殺す。抑圧が生んだ彼女の多重人格は姿を消し、キャパも赤い色が見えるようになった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- リチャード・ラッシュ
- 脚本
- ビリー・レイ
- 製作総指揮
- アンドリュー・G・バイナ
- 製作
- バズ・フェイトシャンズ
- デビッド・マタロン
- 撮影
- ディートリッヒ・ローマン
- 美術
- ジェームズ・L・ショップ
- 音楽
- ドミニク・フロンティア
- 編集
- ジャック・ホフストラ
- Jacki Arthur
- 字幕
- 戸田奈津子
受賞歴
第52回 ゴールデングローブ賞(1995年)
ノミネート
最優秀主題歌賞 |
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